いい加減にしてくれ、Trumpism

The Inauguration後のTrumpの演説には怖れいった。16分間のスピーチ、Americaという言葉が35回。中身は空疎で理念なし。なかでも、....vows to end 'American carnage' にはたまげた。carnageとは何ぞや。「殺戮」という言葉を用いて、米国が悲惨な状況にあると言いたかったようだが、The NYT記者に言わせれば、雇用情勢が好転、犯罪率も低下傾向にあり、米国はこの何世代かで最も安全な国になっている。この実態に照らせば、余りにも大袈裟な表現だと言わざるを得ない。
事実・真実を捻じ曲げ、喧伝するのがTrumpismの常套手段。この手法は今後The White Houseにまで持ち込まれそうだ。20日の就任式に集まった聴衆の規模についてもそうだ。8年前のBarack Obamaの時の180万人と比較にならない。その三分の一の60万人規模で高揚感はなくシラケムードだったにもかかわらずThe White HouseはTwitterで"150万人"と超誇大宣伝するありさまだ。
いささか旧聞に属すが、2週間前、ハリウッド・スターMeryl StreepがGolden Gloves受賞のスピーチのなかでTrumpを暗に(痛烈に?)批判した---
"There was one performance this year that stunned me. It sank its hook in my heart......"(今年度は呆然とさせられるパフォーマンスを見せつけられた。そのことが心底深く引っかかった。。)
"It was that moment when the person asking to sit in the most respected seat in our country imitated a disabled reporter...."(我が国で最も尊敬されるべき地位につく人物が身体の不自由なNYTの記者の真似をした時のことだ)

これに対して当然のように、Trumpはtwitterで「そのような事実はない」と反論したが、Robert De NiroがMerylの発言をtwitterで絶賛。"I share your sentiments about punks and bullies. Enough is enough....(くだらないゴロツキに対するあなたの気持ちに共感を覚える。トランプよ、いい加減にしてくれ)
"Trump is a bad example of this country.'(トランプはこの国の悪い見本だ)とこき下ろし、そのうえでDe Niroは、”Whatever happens, we Americans, we New Yorkers, we patriots stand united for the rights of our citizens."(この先何が起ころうとも、我々アメリカ人は、我々ニューヨーカーは、我々愛国者たちは、我々市民の権利のため結束して立ち上がる)と訴える。
NYCだけでなく米国内外でTrump Protest Marchは広がり、止むことはなかろう。