“想定外”とは100万分の1?----Absolutely notではない

3/11以来、連日耳にする「想定外」なる言葉。今年の流行語となるに違いない。英語1語で言えば“unexpected”より“unanticipated”。

Nobody anticipated such a giant tunami(そんな巨大津波は誰も想定していなかった)という具合に“anticipate”は一般的に凶事が起こることを想定する場合に使う。

が、大津波による原発事故が典型だが、TEPCOも原子力保安院も政府も(自治体も?)、災害の責任を「想定外」という言葉で誤魔化す。原発事故に関して「想定外」などという逃げ口上は許されない。想定の甘さと現実への妥協が招いた人為的事故、人災である。可能性100万分の1でも“絶対安心・安全”でははない。確率が極小の事故が起こったときにも確実に大事故を未然に防ぐのが専門家筋の責任だ。

Typhoon Talasの爪あと、紀伊の惨害は何と形容すべきか。断続的に豪雨に襲われ、1週間の雨量が1200㍉、1年間の4分の3に達したという。「深層崩壊」に「せき止め湖」(landslide dam)、そしてswollen river(増水河川)にoverflowなど初耳の言葉がまさに洪水のように押し寄せてくる。


紀伊の国は樹の国。犠牲者、行方不明者100名近くに及ぶ大災害だが、某識者は「豊かな山林、樹林が惨事を少なくした」と自然の猛威と恵みを論じる。

若し都市部があのような暴虐な豪雨に襲われたらまさに「想定外」どころでは済まされないだろう。対岸の火事ならぬ、対岸の惨事ではない。
紀伊、紀南の被災者は「ここに大地震が起きたらどうなるだろう」と顔を曇らせ、東北被災地では豪雨の到来に怯える。
ボクたちは想像力の欠如と知的怠慢は許されない。