Egyptの未来創りの鍵は・・?


Egyptの“White Revolution”についてPresident Obamaは“Egyptians have inspired us, and they've done so by putting the lie to the idea that justice is best gained through violence.”(エジプト国民は我々を奮い立たせてくれた。彼らは正義は暴力によって達成できるなどという考えが偽りであることを身をもって実証した)と雄弁に語った。

“2011.2.11”は間違いなく世界史に刻まれるが、これはrevolution(革命)ではなくrevolt(反乱)と呼ぶべきだとする中東研究専門家もいる。
確かにrevolutionにはheroの出現が通例だが、左派にも右派にもheroはいなかった。
“Death to America”(アメリカに死を)とか“War with Israel”(イスラエルとの戦い)などというお馴染みのスローガンも見当たらなかった。
エジプトの若者たちの理念と願いは現実的だ。彼等の求めるものは新生エジプトだ。過去の栄光を知る彼らは新たな未来の創造を希求している。彼等の革命は平和的で、秩序正しく、科学的だった。

エジプトの新たなリーダーは経済的、社会的発展のためのビジョンを示さなければならない。長年Mubarak独裁政権を下支えしてきた軍事評議会が民主化のプロセス作りを急いでいるが、すでに疑問視されている。エジプトの民主主義の誕生は安物買いでは無理だ。若者達こそ真の政治・経済面の改革の推進体となるべきだ。従来の旧弊の政治手法の誘惑に負けてはならない。


国は重大問題に直面している。Mubarak政権の国の収入と云えば観光業とスエズ運河の航行、そして多少の地下資源がGDPの原資となっていた。人口8500万、そのおよそ半分が貧困ラインかそれ以下に喘いでいる。最大の改革課題は教育問題だ。エジプトは技術革新を推進できる人的資源は豊富だ。新たな教育制度ができれば疑いの余地なく国際市場の主役を担える将来性を有する国だ。
国民は旧体制の根深い腐敗構造を一掃し、速やかに新たな政治体制と官僚組織づくりをスタートしなければならない。
問題は国民のリテラシーだ。文盲率が全人口の30%に上る現状のままではEgyptの21世紀き暗い。独裁政権の宣伝・広報に利用されていた旧態のメディアを現代世界を曇らぬ眼で鳥瞰できる自立したメディアにかえなければならない。
99年ノーベル科学賞受賞者でエジプト系米国科学者Ahmed Zewail博士が≪Egypt forging the future≫と題して寄稿している--

“The heart of the Arab world is Egypt. The beating of that heart is being felt in all other Arab countries. It is more critical than ever that we all support and sustain the spread of liberty in the Middle East. If liberty and democracy are going to endure in this region, we need to also train the mind. Joining hearts and minds together is what will finally bring modernity home.”(アラブ世界の心臓はエジプトにある。その心臓の鼓動が他のアラブ諸国に響いた。従来になく決定的に重要なのは我々が中東に自由が拡大し根付くべく支援することだ。中東地域に自由と民主主義が持続すれば、我々も頭を洗練すべきだ。hearts and minds≪心と頭≫を結びつけることがこの国に近代性をもたらすことになろう)
36年前、Vietnamが超大国USAに屈することなく勝利したのも、民衆のHearts and mindsによる。