“White Revolution” in Tahrir Square(Ⅳ)--Mission Accomplishedは道半ば・・・・


Mubarak政権の長期独裁を許してきたエジプトのメディアは罪は重い。
政府及び支配政党の声を伝えるプロパガンダ、日本の戦前・戦中、大本営発表の代弁機関と成り果てていた新聞メディアや日本放送協会と同じようなものだ。
1月25日反体制デモ発生後、「デモの背後には“陰謀”が存在し、普通の市民はデモに加わっていません」「カイロの街は静かです」との報道を強制されたナイルTVの女性ニュースキャスター、シャラ・ハミンさんが「政権のプロパガンダになりたくない」と4日辞職した。

Tahrir広場を埋める数万人の民衆を「300人程度のデモ隊」などと報道する国営TVを国民が信じるわけがない。自然と人民はカタールの衛星テレビAl Jazeeraを食い入るように観る。

政府の御用新聞al-AhramはまるでMubarakの親衛隊だ。昨年9月米D.Cでの中東和平交渉にThe White Houseに集まったPresident Obamaなど各国首脳の写真を、Mubarakが真ん中先頭に立って歩いているかのように加工・偽造、新聞掲載し悪名を馳せた編集長Osama Sarayaの変わり身の早さには唖然とさせられる。


つい一週間前まで、民主化を求める民衆を騒乱を起こす暴徒だと非難していたSaryaはが、舌の根も乾かぬうちに今度は“A salutation to the revolution and respect to its youth”(革命に乾杯、若者に敬意を)“The corrupt of Egypt were only a few that led to the destruction of the country, and their era is gone now.”(エジプトの不正堕落は国を崩壊に導く大本だった。いま彼等の時代が消え去った)とコメント。

よくぞヌケヌケとそのような台詞が言えたものだ。al-Ahram社の編集室に掲げられていたMubarakの肖像画は撤去され、Sarayaの写真も裏返しにされた。
今回御用メディアを蹴散らし、Mubarakをstep downに追い込んだのは同国のcyber activistGoogleドバイ駐在幹部Wael Ghonimさん。一躍時の人となった同氏はEgyptに帰国、12日間治安当局に拘束された後もデモ民衆の陰に隠れて控えめだったが、White Revolutionの達成に思わず興奮せざるを得なかった。

“'Mission Accomplished' Thanks to all the brave young Egyptians”(「任務完了」-勇敢なあらゆるエジプトの若者よありがとう)

そしてGhonim氏は次のTwitterに“Revolution 2.0 Mission Accomplished #Jan 25”と書き加えた。
最高軍事評議会が民政移管までの行程を発表した。国民の大半の軍部に対する信頼は厚い。


が、デモ隊をTahrir広場から排除した軍隊のその後の動向に目を離せない。デモ継続派は軍部の声明を不十分だとしている。一方、賃上げストの全国的拡大も予想されるなか、第一に求められるのは30年間国民を苦しめてきた「非常事態命令」の撤廃と、政治犯の釈放だ。

そしてエジプトにとって一年分の国家予算を超える5兆円を上回ると推定されるMubarak一族の資産の行方だ。国民から収奪し海外に秘匿している莫大な蓄財をどのように没収し国民に返還させ、Mubarak一族の息の根を止めるか。長年の軍事独裁国家から真の民政国家に果たして変わりうるのか。Egypt人民だけでなく国際的監視が不可欠だ。