The White Revolution in Tahrir Squareに乾杯!(続編)

18日間のデモを通じて、Mubarakをstep downに追い込んだのは若者たちのインターネットを通じての連帯の結果だといえよう。
参加者たちは18日間の闘いを耐え抜いた。
前世紀末、ボクらの世代は世界史に刻印される様々な革命に“立ち会って”きた。1986年2月のフィリピンの「ピープルパワー革命」(人民革命)。Corazon Aquino女史を担ぎ、Marcos独裁政権を打倒した。が、革命の引き金になったのは83年のCorazonの夫、Benigno Aquino上院議員のMarcosの配下による暗殺劇だった。



89年の東欧革命において唯一武力により共産党政権を打倒したルーマニア。引き金になったのは独裁者チャウシェスクによる民主化運動に対する弾圧だった。チャウシェスク夫婦の末路は凄惨、銃殺処刑された。




エジプト革命は大規模な流血もなく市民の多様な連帯で達成された。その爽やかな政変劇を、白をイメージして欧米では“The White Revolution”(ホワイト革命)と呼び始めている。

革命には傑出したヒーローやリーダーが存在するのが通例だが、Tahrir広場にはその種の英雄はいなかった。が、広場や他の都市への民衆を結集させ、怒りの声を上げさせる上で決定的役割を演じた若者がいた。Wael Ghonim(30歳)さん。Googleのドバイ駐在社員としてネット技術に精通していた。その彼は1月25日のデモを呼びかけエジプトに帰国するや、治安当局に拘束された。

釈放された7日TV局のインタビューの最中、自らの呼びかけでデモに参加し命を落とした若者たちの写真を見て、絶句し慟哭。片言の英語が言葉にならないほどだ。“I am not a hero. I was only used the keyboard, the real heroes are the ones on the ground. Those I can't name. This is the season where people use the word traitor against each other...”(ボクはヒーローじゃない。ただキーボードをたたいていただけだ。英雄は広場に集まる人たちだ。ボクはその名も知らない。権力にしがみつく奴らは裏切り者だ・・)

Mr. Ghonimは金曜日他のTVインタビューを受け“Egypt is going to be a democratic state. You will be impressed.”(エジプトは民主国家に生まれ変わる。みんな感動するだろう)と高らかに宣言した。
The White Revolutionには多くの若き、名もないデモ指導者がいた。そのなかの一人、外科手術専門医のDr. Harb(32歳)が語っている--
“Our country never had a victory in our lifetime, and this is the sort of victory we were looking for, a victory over a vicious regime that we needed to bring down.”(私は生まれてから今まで我が国の勝利を体験したことなど一度もなかった。今回は我々が長年求めてきた一種の勝利だ。 打倒しなければならなかった邪悪な政権に打ち勝ったのだ)
“Now the role of the regular people has ended and the role of politicians begins. Now we can begin negotiations with the military in order to plan the coming phase. ”(庶民の役割はひとまず終わり、政治家たちの役割が始まった。今度は我々は国の次章づくりのため軍部と協議を開始する)

“It's will be tough road after almost six decades of dictatorship, but Egyptians have shown the depth of their culture.”(ほぼ60年間に及ぶ独裁政権に終止符を打った此の国の前途は多難だろう。でも、エジプト国民は深遠な文化の真髄を示してくれた)とRoger Cohen氏。そしてMubarakを揶揄し、“Mabruk, Egypt!”(おめでとうエジプト!)と祝意を述べコメントを締めくくっている。


viciousなMubarakは保養地Sharm el Sheikに逃避した。スイス外務省はThe Mubarakの資産を凍結した。蓄財は400億ドル〜700億ドルに上ると推定される。日本円にして5兆円。あきれ果てた重罪人だ。



若者たちは就職難に喘いでいる。政府関係者とのコネなしでは、まともな仕事に就けないという。庶民は役人から賄賂を強要される。
人々は、人権を蹂躙し、富を収奪した独裁者とその一族を許さないだろう。