警戒すべきPeer Pressure−−bullyingに通じる

Peer pressure and bullying go hand in hand”−本日の某英字紙のheadline--「『同調圧力』はいじめに直結」--に注目した。
Peer pressureが児童・生徒たちのあいだで強まる傾向がある。“Peer pressure refers to the pressure in individuals to conform a peer group's ideas, values or behavior”(個人に対し、集団の考えや価値観あるいは行動形態に合わせるように圧力をかける空気のことをいう)

“I feel miserable unless I stick together with the kids I like.”(好きなもの同士なごんでいないと惨めなの)と女子生徒は胸中を明かす。
仲間はずれを恐れて、用心深くグループに合わせようとする若者たちが大半のようだ。


今日、“Peer pressure”に屈するのを拒否して学校を休み続ける高1の男子生徒と面談した。「連中に取り囲まれてバカバカしく、面倒臭くなった」という。同質の者を求める心の作用が曲者だ。この作用はI likeだ。I loveではない。loveは異質なものを求める心理作用だ。
“Whether intentional or not, speech and behavior that keeps oneself in safety and rejecting those who are different are two sides of the same coin.”(自分を安全地帯に置く言動と、異質な者の排除は、意図の有無にかかわらず、表裏一体にある)

つまり、「同調圧力」はイジメと一体だということだ。
“The strengthening of peer pressure reduces empathy for those who are excluded...... It will eventually deprive them of love. ”(「同調圧力」の強まりは、排除された者への想像力を抹殺する。ひいては、「愛」を奪い去ることにもなる)
−−11/10「天声人語」参考−−

「集団になじまない個体」が排除や攻撃の対象になる。これがイジメの通念だが、さらに困惑させられるのは、「集団に過剰適応したせいで、他と個別識別できなくなった個体」もまた容易にイジメの対象になるという。いま注目のK大学U教授の理路だが、これではイジメは出口無しだ。

『・・誰もが気心の知れた仲間とはおよそ異質の他人の存在を必要としています。・・・』−−98年3月の東大卒業式でのH総長の45分間に及ぶ長告示のなかの名台詞だ。
教師よ改めて刻印すべし。−−「子供を『葛藤する存在』として見ること。−葛藤とはたとえば≪学校へ行きたくない。でも行きたい≫と悩んでいるような状態だ。学校は葛藤があって当然の場所だという視点が不可欠である」