国難もいろいろ、隔靴掻痒

USの景気低迷と好転しない雇用情勢に対し、Obama政権が二つの大胆な対策を提示した。
“Obama to Propose Tax Write-Off for Capital Investments”
“Obama Offers a Transit Plan to Create Jobs”
双方ともThe NY Times com、最新のHeadlines。President Obamaが二ヶ月後に迫った中間選挙に向けてのWisconsin州での遊説先で発表したeconomic recovery programsである。

「$200 billion(約16兆円)の投資減税」。この追加景気刺激策によって2011年までの工場や設備への新規投資のための全額を一括償却可能とするプランだ。さらに、Barack Obama氏は道路建設などインフラ整備のための公共事業による追加経済対策の実施を目指す。今後6年間継続する計画で、一年目に全体の“かなりの部分”に当たる$50 billion(約4兆2千億円)を前倒ししたい考えだ。Obama氏はこれら雇用創出策について米議会に協力要請するつもりだが、中間選挙で苦戦が予想されるDPの巻き返し対策であると見越してか、GOPは悉く抵抗・反対に回るのは必至。当のObama氏自身すら「(GOPは)今では、青空を見ても空は曇っている。青を見ても赤だという」と失笑しているほどだ。
これほど党派性を剥き出しにDPを敵視するGOP。その背景には、目下注目されているTea Party Movementなど、米国に潜・顕在する偽愛国心(超保守的土壌)のうねりを見てとることができよう。
USにとって外患といえばCombat Mission(戦闘任務)を完了し、撤退したばかりのIraq情勢だ。相変わらず、“12 killed in suicide attack in Baghdad”の見出しにガックリ。早くも駐留米部隊が銃をとって引き金を引かざるを得ない始末だ。“米軍去れどもイラク平穏の道遠し”だ。


AfghanとPakistanも暗雲が垂れ込める。“Taliban vow to disrupt Afghanistan election”“Pakistan suicide attack kills 19”
タリバン、アフガンの総選挙妨害を声明≫≪パキスタン自爆テロ、19人死亡≫


先は見通せないが、中東和平交渉は次回エジプトで開かれるという。14日〜15日の両日。今度で二回目となる。イスラエルパレスチナの両首脳にHillary Clinton国務長官が加わる。米外交案件の最難問の1つ。気になるところだ。
米Obama政権はまさに内憂外患の渦中あるが、最も頭の痛いのは中間選挙に向けて雇用・経済の低迷に対しいかに打開の道筋をつけてゆくか。米国民は実効が上がらないと承知しないだけに、むしろかかる内憂こそ国難だろう。
我が国の国難はいまヒートアップしているDPJの代表争いだ。本日の天声人語が面白い。≪いつの日か直に決めたい国の顔≫と川柳を引き合いに出している。「頼りなげな清廉にせよ不人気の剛腕にせよ、選ばれるのは村の顔役ではなく、国の顔である」
まさにその通り。我々にとっては隔靴掻痒だ。
見過ごしがちなHeadlineが今日の英字紙の国際欄片隅に載っていた。


“State of emergency extended in quake-hit New Zealand city”
北島に多くの知人・親友がいるNZ。大地震の後遺症が気になる。南島最大の都市Christchurchは大変だ。死者は出なかったものの、マグニチュード7.0の激震。道路に亀裂があらわれ、建物が倒壊し瓦礫があちこちに見られる。役所、学校、商店も機能麻痺。おまけに、窃盗・略奪が横行?しているようだ。遂に当被災地域に非常事態宣言が出された。

過去80年間のうち最もヒドイ地震に見舞われた現地。犠牲者ゼロは奇跡に近い。危機一髪で助かった市民も多いという。