Surrender(降伏)とIndependence(独立)−−歴史を顧み反省すれば自虐思想か?

本日8/15の我が国某英字紙は“Indian Independence Day”(インド独立記念日)に7頁を割き、祝意を表す多彩な広告を掲載している。

年々人口増が止まらず2010年の現在18億に届かんとする大国Indiaを日本は軽視できない。特にIT技術は世界の最先端を走り、米国Hollywoodの向こうを張るMumbai(旧Bombay)の映画産業Bollywoodが世界を席巻しつつある。貴金属ビジネスにインドカレーで集客するIndian Restaurantの都市圏への進出も目立つ。
本日の英字紙の広告欄のキャッチコピーは“Congratulations to the People of India on the 63rd Anniversary of their Independence Day”。
1947年8月15日がインド独立記念日。India's Independence Day is celebrated on 15 August to commemorate its independence from British rule and its birth as a sovereign nation on that day in 1947と解説されている。つまり「長年に及ぶイギリス支配から脱し、独立国家として誕生した記念日」とされているのである。


が、事実は異なり、第二次大戦終了後、インド内のヒンドゥー教徒イスラム教徒の争いが収拾されず、イスラム教国家パキスタンとの分離独立となった日が63年前の8/15である。因みに前日の8/14、インドを東西から挟むかたちでPakistanが誕生している。

英字紙Daily YはIndia-Japan relations growing in many spheresと題し、我が国とインド両国が政治・経済・文化・貿易面などさまざまな分野での緊密な関係を推進しようとしている。その意気込みは次のような種々のHeadlinesにあらわれている。
“Bilateral economic relations likely to strengthen”“Air India flying high on economic growth”“Rediscover India's ties with Japan”“A history of curry links India, Japan”“Foreign Japan-India relationship through jewelry
そして“'3S' key to India-Japan business growth”とIndiaのFidel Technologies会長Sunil Kulkamiが宣伝する。3Sとはstudents, seniors & SMEs(=small and medium-seized enterprises)のことである。
1945年8/15日は日本にとって終戦の日天皇玉音放送によるポツダム宣言の受諾発表)だが、韓国は日本による併合から独立した日である。



去る10日にPM Kanが韓国併合100年に当たり、首相「談話」を発表した。早速LDPのタカ派なとが中心になり“愚かな総理の自虐思想”だと酷評した。
今日の「全国戦没者追悼式」でのPM Kanの式辞そしてEmperorの≪言葉≫の含意を考える必要があろう。


PM Kanは、310万の戦没者を「無念の死」と捉え、遺族の方たちの「悲しみと計り知れない労苦」に思いを寄せた。そして「不戦の誓い」を新たに、「他の多くの国、特にアジア諸国に多大の損害と苦痛を与えた」と反省し犠牲者に追悼の意を表し、その上で「悲惨な戦争の歴史を謙虚に認識し語り継ぐ」と結んだ。

Emperorの言葉も胸を打つものがあった。「歴史を顧み、惨禍を二度と繰り返さない」--“歴史を顧みる”というひと言はこれまでのEmperorの言葉にはなかったはずだ。
できればPM Kanが“不戦の誓い”より一歩踏み込んで“非戦の誓い”という言葉を聴きたかった。
90歳を超える遺族などの顔が見える。日の丸を正面に見すえ、起立して君が代(国歌)を斉唱する遺族たちの心情と表情には心なしか複雑なものがよぎる。本日PM Kanの追悼式での極めて穏健妥当な式辞を聞き、これも自虐思想の表現だと批判するような戦前の亡霊がいなければいいが・・。