“生命・生活が一番”−−その基準は?

米Utah州Cedar City、Interstate 15で起きたマイクロ観光バスの横転大事故から1週間経った。Interstate Highwayにズバリ“Drive Alive!”の標識。

そして15号線にも≪Drowsy Drivers Use Next Exit≫(眠くなったら次の出口で降りてください)の看板が草地の中央分離帯に建てられている。居眠り運転を警告、“Fatigued Driving is banned in Utah“と疲労運転を禁じている。生活よりまず大切なのは命。命を惜しめと戒める。


本日のThe NY Times、Global Businessのトップニュースは“China Passes Japan as Second-Largest Economy”(中国、日本を抜いて世界第二の経済大国)。時間の問題だったといは言え愕然とした。
ここ3ヶ月における日本の経済成長率は0.4%と当初の予想より鈍化、GDPは1兆2800ドル。中国は1兆3300億ドルに達し日本を抜いた。この歴史的指標が今朝発表された。米国は2009年度約14兆ドルだが、2030年中国が米国を抜いて世界トップに躍り出るだろうと予想されている。


わずか5年前、中国のGDPは日本のおよそ二分の一の数値だった点から見れば、驚異的な急伸である。
国土は米国とさほど変わらないものの、人口13億、世界人口の五分の一を占める中国の国民一人当たりの平均年収は31万円、アルジェリアエルサルバドルアルバニア並みの貧しさである。米国民の平均年収約400万円の10分の1にも満たない。貧富の格差は拡大する一方だろう。

人口問題と云えばインドだ。人口増は止まるところを知らない。The Washington Post紙の最新号は“In India, age often not an impediment to pregnancy”(年齢に歯止めのなインド女性の妊娠)と1歳数ヶ月の娘とともに笑顔を見せる72歳のRajo Devi Lohanさんの笑顔を掲載。世界最高齢の母親の一人だろう伝える。田舎の産院のベッドに横になっている白髪のNananki Rohtashさんは5人目の子供を出産した母親であり、八人の孫がいるお祖母さんでもある。

かくしてインドの人口現在12億、中国に次いで世界第2位だ。人口抑制はほとんどないため、毎年1.5%前後の人口伸び率を示している。遅かれ早かれ中国を追い抜くだろう。


日本の景気は足踏み状態とみるエコノミストがいる。内閣府も消費者心理が7ヶ月ぶり悪化したと消費者態度指数を発表し、消費者の購買意欲の刺激が困難な状況を認めている。

ところ本日のThe LA Timesは“Japanese women step up to make purchases in slow economy”と景気不振のなかでも日本人女性の購買意欲に注目している。最近日本女性は家庭の主婦としての買い物は傾向は薄れ、結婚志向のない女性や職場を定年退職後の“ご婦人”が不動産や株の投資、財テクに走るなど、従来見られなかった今時の我が国女性の気質を伝える。

大手建設会社で25年勤務している経理課長補佐のNさん、二年前定年退職後の生活設計の考え、思い切って分譲マンションを購入した。「貯金のほとんどをマイホームの購入につぎ込みました。多少後ろめたい気もしたけど、躊躇はしなかった」と気さくで自信に満ちた口っぷりだ。「まず自分自身のこを考えました。結婚する気はありません。だから、自分の老後のために投資して当然でしょう。私にとって意味のある計画です」
Nさんは最近、仲間のご婦人とともにゴルフのレッスンに余念がない。
彼女は言う。“The main point for us is to enjoy life. My mother believes in saving for her children. In contrast, I am single and free”(私たちにとって重要なのは人生を楽しむことです。子供たちのために節約すること、これが母親の信念でしたが、私は対照的です。独身で自由の身ですから)。

アジアの三大国、中印日の国民の生活観、幸せ意識には明らかに違いがあるようだ。