“歴史をつくるには”−リスクを引き受けても・・

昨日、結婚披露宴に招かれ、午後舞浜のHotelに出かけた。
若手男性スタッフとかつての同じ職場の女子教員のカップル誕生である。寿ぎたい。

冒頭の挨拶を仰せつかった。新婦の勤める学校のPrincipalが早速ご挨拶に見えた。名刺を交換。お相手の名刺には学校のモットーのようなキャッチ・フレーズが付記されている。
「なれる自分より、なりたい自分」とある。これをみて、もう10年以上も前になるが、作家M.R氏の“100人インタビュー”のなかの一節が頭に浮かんだ。
“好きなことをやるとは、リスクを引き受けながら自分の好きな道をさがすこと”−−

the nuclear-free-worldを目指そうとするPresident ObamaのPrague Speechで核廃絶に向けて明らかに大きく舵を切りつつある国際社会にあって、Obama氏はヒロシマへの大使派遣を皮切りに自らの日本の被爆地への訪問につき意欲を滲ませる。そうしたBarack Obamaの世界平和への真摯なアプローチに対し、米(保守系)メディアは「Obamaは大変な政治的リスクを犯すことになろう」と注目される11月中間選挙に狙いを定め警告する。

リスクと云えば、“Mantra from the Dalai Lama”に記されている“Just a short Buddhist outlook on life”(仏教徒の人生訓)のなかの次の一文を心に刻むべきだろう。


“Take into account that great love and great achievements involve great risk”(大きな愛情と大きな成果には大きなリスクを伴うことを銘記すべし)
Dalai LamaのMantraだが、数年前のお正月、この二月に逝ってしまった海外の親友からメール転送されきて初めて覚醒された。ボクが敬虔ではないがBuddhistと知っての年賀状のようなものだった。20種類のショートセンテンスからなる人生観である。ネットを検索すれば入手できる。
IT、Internetによる学習の意義について本家本元のBill Gatesが述べている。

「教育そのものについていえば、テクノロジーは問題を解決しない。大切なのは学ぶことに興味を持つ学生を刺戟していくことだ。それは学習意欲をはぐくむ環境をつくることにある」「・・教育の目的は、大人になっても好奇心を失わない若者を数多く育てることにある。若者が自力で知識を獲得できるという自信と確信を持てれば、それが彼らにとって大変な力となる」「・・インターネットの大きな秘めた力は、いくつもの教壇を用意できることにある。ひとつの問題について、世界で最も優れた教師をどこからでも起用できる」
先月訪問した豪州のルーテル協会系の私学のモットーの1つ“Empowering Lifelong Learners”(生涯学習能力の育成)に注目した。うえのBill Gatesの教育観・学習観に通じるものがある。

“刺戟”とは心身への刻印だ。そのもとになるのが経験だが、哲学者N.Y氏は語る−−
「われわれ人間はひとたび何かを経験したとき、好むと好まざるとに関わらず、その心身への刻印が潜在的に記憶として残る。・・
『ひとは経験によって学ぶ』といういことを意味するギリシャ語の言い回し−−tapathemata, mathemata--。この言い回しは直訳するとギリシャ語では『痛みを感じることがものを学ぶことだ』という意味。
・・記憶の問題と関係づけると・・行為がその人の真の経験になるためには、否応なしにそれが自分の身につくような痛みを感じなければならないし、痛みを感じられば、忘れようと思っても、忘れられるものではない。・・『痛み』とは良心の痛みの問題ではなく、自己への強い刻印のことである」
昨日の結婚披露宴では冒頭の挨拶のなかで、Dalai Lamaの次の箴言がこうした場には相応しいと考え二つ紹介し餞とした。
“Live a good, honorable life. Then when you get older and think
back, you'll be able to enjoy it a second time.”
“A loving atmosphere in your home is the foundation for your
 life.”
あえて拙訳するまでもなかろう。newly wedding couplesだけではなく孫をもつ古稀の世代の“老夫婦”も長く刻印したいものだ。