口が災い・・troublemaker?

一昨年JPBの日本シリーズを制し、選手と共に歓喜していたSeibu LionsのOhkuboコーチ。若手の力を引き出す指導力に定評があり存在感も抜群。Watanabe新監督からもその手腕を買われていたはずなのに、シーズー・オフに暗転。知人女性に怪我を負わせてコーチを解任、球団本部長付きに配置換えとなっていたところ、今シーズンから現場復帰し、二軍コーチにリターンと相成った。ところが今度は若手有望選手にたびたび暴行を働いていたという。一種のイジメのようなものだ。球団は遂にMr Ohkuboを解雇した。

選手会から情報がもたらされた結果だというから、スタッフ管理の間抜けぶりは呆れたものだ。Dave Ohkuboはtroublemakerだった。その性癖を見抜けず情実人事に走る甘い体質がある。MLBでは考えられないだろう。
2010FIFA World Cupが終り、いま一番のホットニュースはArgentineのDiego Maradona監督解任の話題だろう。
本日のReuters通信は“Parting shots: Ousted Maradona sounds off about'lies, betrayal'”(解任されたマラドーナ、捨てゼリフ−−“嘘つきだ、裏切りモノだ”とまくし立てる)のHeadline。

World杯で独チームに0-4で惨敗したものの、監督残留を予告されていたのに、それには条件があったという。チームMaradonaの7人の技術コーチを総入れ替えするのが前提だった。当のMaradonaにとってそのような条件が飲めるはずがない。必然的に退任に追いやられたわけだ。Maradonaに言わせれば、“AFA(アルゼンチンサッカー協会)会長は大嘘つき、ナショナル・チームの技術委員会委員長は裏切り者だ”ということになる。痛烈な批難と悔しさを滲ませる捨て台詞の記者会見だった。AFA会長は『なぜ裏切り者呼ばわりされるのかわからない。今より優れたスタッフ編成を目指すのがMaradonaにとっては裏切行為なのだろう。我々は良き変化、前進を目指したのであって、Maradonaを排除しようとしたわけではない』と釈明する。

興味深いのは同国Cristina Fernadez大統領がMaradonaを支持・擁護していることだ。「マラドーナは代表チームのメンバーがまだ未熟で扱いにくい選手ばかりなのに監督を引き受けてくれた。国民は今回南ア大会に出場する資格さえないのではないかと心配していたほどだった」
なんとも心情溢れる大統領のMaradonaに寄せるsympathyだ。Maradonaは憎めないtroublemakerだ。サッカーの国民的英雄の彼の存在は一向に色褪せない。彼を熱烈に支持するファンは多い。
口が災いの元と云うべきPMを抱えているのがいまの日英だ。
Mr Kanは半ばタナボタ式にPMに上り詰めたところ、いささかはしゃぎ過ぎ消費税増を云々した。untouchableに触れ、大やけど、大変な苦杯を舐めた。お蔭で集中砲火の夏の陣、たとえひと山超えても、今度は秋の陣を控え危ない。
鉄の女サッチャー女史以来、久方ぶりに政権を奪取した英国保守党Cameron党首。PMとしては未熟丸出し。外交経験不足と云うだけでは済まされないトンデモナイ発言を連発している。

トルコに出かけて、イスラエルに怒りを滲ませ、“Gaza is a 'prison camp”(ガザは捕虜収容所みたいだ)、インドに赴くとIslamabadを糾弾し、インド国民の前で“Pakistan promotes the export of terror”(パキスタンはテロリストの輸出を推進している)。口が滑ったわけではなかろう。思わず不用意に本音を吐露し、いたずらに物議をかもしている。
洋の東西を問わず、トップリーダーのはしゃぎ過ぎの素人外交は怖い。