FIFA World Cup余話

Diego Maradonaは、Kloseの2ゴールなどによりGermanyに0-4惨敗後、自らの今後のことについて即答を避けた。家族やチームや選手たちと相談しなければならないという。

一方、Netherlandsに準決勝進出の道を阻まれたBrazilはどうか。たちまち同国サッカー連盟がDunga監督以下、コーチン・スタッフを全て解任する旨発表した。この決定を大方のBrazil国民は歓迎しているという。
“With the closing of the work cycle that started in August 2006 and ended with the elimination of Brazil from the World Cup in South Africa, the CBF announces the dismissal of the Technical Commission of the Brazilian team”とサッカー協会は「4年前の8月発足した代表の任務周期はW杯南ア大会で敗退により終了し、代表チームの技術委員会を解散する」との声明を発した。

早速、後任監督としてAC MilanのコーチLeoanardoや2002年W杯で自国を五回目の世界チャンピオンに導いたLuiz Felipe Scolariの名が取り沙汰されている。誰が後継監督になるにせよ、数箇月後に迫った親善試合や2011年アルゼンチンで開催される南米選手権(the Copa Americana)で手腕が試されることになる。
独チーム監督Joachim LowはMaradonaのArgentinaに圧勝のあとコメント−−
“I told my young players that they were faster than Argentina. I told them that if they put players like Heinze under pressure, the Argentines would struggle because they are not as young as they were ”

Low監督は「諸君は若い。アルゼンチンに走り負けするわけがない。(32歳のDF)Heinzeなどに徹底的にプレッシャーをかけろ。そうすれば相手は苦しむはずだ。彼らは昔に比べれば歳をとってるからだ」と選手に対し単純明快に檄を飛ばした。
エース・ストライカー、Miroslav Kloseは32歳。所属クラブのBayern Munichでは負傷したこともありわずか3ゴール。最近ではリザーブに甘んじていた。ドイツのファンもKloseの代表選手入りを疑問視していた。
が、これまで国際マッチに100試合出場しドイツ・チームのために52ゴールを上げているポーランド生まれの世界一流のストライカーは裏切らなかった。今回の南ア大会ですでに4ゴールという活躍ぶりだ。W杯14ゴールはあのBrazilのストライカーRonaldの15ゴールに迫るものがある。

Klose自身は謙虚なものだ。“I don't know if I'm going to tie Ronald or not, but I think it's a great compliment to have this opportunity. I thank the team, but I would rather become world champion than tie or beat Ronald”(ロナルドの記録に追いつけるかどうか判らないが、こんなチャンスをいただいたことに感謝したい。チームのおかげです。でもボクにはロナルドに追いつけるか抜けるかよりチームを世界チャンピオンにする方が優先です」
Low監督はKloseを次のように評価している−−
“I can't praise him enough. Over the last few years, he recovered very well, even after a bad patch. You might think sometimes that he is being self critical, but he knows himself very well. He's also very modest, which is something I appreciate very much”
“Even after 100 caps, he is extremely hungry and motivated to score more.”(彼についてはどんなに褒めても褒めすぎはない。この数年間、一時的な低迷を脱し完全に復調した。時に彼は自己批判的過ぎるといわれるが、彼自身、自分のことを十分わきまえている。それにとても謙虚だ。私が彼に最も敬意を表するのはその点だ。彼は、歴戦100キャップの選手ながら、いまなお貪欲にゴールを目指している」

Kloseは長身のようだが182㎝でさほど目立つ選手ではない。試合中もどこにいるのか影が薄い。そこにこそチャンスとあらば獲物を逃さない凄さがあるのだ。またKloseの一回転ジャンプを見たいものだ。
余話の余談二つ。
いま開催中のFIFA W杯から教訓を得ようとする人物がいる。RugbyのThe Japan National Team監督John Kirwan。All Blacksで63capを有し、第1回W杯で自国を初代世界チャンピオンに導いた名ウイングだ。
Kirwan氏は“World Cups need superstars, players who can stand up under the intense scrutiny.
My team may not have any real superstars but we have a group of players who knows each other very well, who are used to playing with each other and who are youthful and very fit”

「W杯にはスーパースターが、つまり、いつも厳しくマークされるずば抜けたプレーヤーが必要だ。我がチームにはスーパースターはいないかもしれないが互いに相手を知り尽くしたプレーヤーの集団がある。いつも互い同士戦い慣れ若くて身体能力がある選手たちがいる」
The Japanは最近行なわれたPacific Nations Cupで強敵Samoaを破り、Tongaにも苦戦しながら勝利した。昨年見られなかった飛躍振りだ。Kirwan氏はこれをバネにW杯予選でFranceに一泡吹かせようと意気込んでいる。
戦前の予想を覆してNetherlandsがBrazilに、GermanyがArgentinaに快勝したところから何らかの教訓を得たようだ。

FIFA 南ア大会の“名物?”は会場に鳴り響くvuvuzelasの騒音?だろう。このvuvuzelasの約90%がMade in Chinaだというから驚きだ。まさにRising China、若し今回の南ア大会にChinaが出場していたらChinese supportersも現地の人たちとvuvuzelasの合唱となっただろう。