All Whitesを警戒するChamp Italia

NZ National TeamがFIFA World Cup Africaに出場したのには驚いた。
いつもオセアニア地区予選でAUZの壁が厚く出番なし。
なのに、緒戦の対Slovakia戦でドローに持ち込んだのは見事だ。1点ビハインドのまま、後半のロスタイムぎりぎりでFWのWinston Reidがヘッディング、28年ぶりのゴールだ。Slovakiaは世界ランキング34位。NZはなんと78位、日本の45位にも遠く及ばず、参加32ヶ国中、下から三番目だ。
このNZ Teamの愛称はAll Whites。Rugbyの世界の覇者、All Blacksを皮肉り、向こうを張った心意気がいい。

All WhitesはF組に属し、20日深夜(日本時間)、優勝候補Italyと戦う。Italyは世界ランキング5位、緒戦で31位の南米Paraguay相手に1-1で引き分けている。

Italyはdefending champだが、相手のNZを舐めてかかっているかというとトンデモない。Slovakia戦でのAll Whites、Winston Reidの強烈なヘッディングに警戒心を募らせ、不安を隠しきれない。
W.Reidは21歳、190cmの長身FW。デンマークのプロチームに所属している。


ItalyのgoalkeeperはFederico Marchetti,6 capsの27歳。名手Gianluigi Buffonが負傷欠場し代役をつとめたが、Paraguay戦で見られたとおり、安定性に欠ける。Italyチームのアキレス腱の1つのようだ。
そのF.MarchettiがAll Whitesについて思わず語っている。“We know they are a very physical squad and good in the air.”(相手の身体能力は強烈だ。下馬評も侮れない)
左のBacks、Domennico Criscomも“New Zealand are very strong from dead balls”(NZは死んだボールを拾って仕かける力は強烈だ)とコメントしている。
All Whitesの主将はDFのRyan Nelson32歳、NZ国内チームでプレーしている。
なにしろFIFA W杯にこれまで半ば無縁の存在だったNZ。AUZがアジア地区に移動したお蔭?もあって、オセアニア地区予選でNew Caledoniaを3-2で破り久々に世界の桧舞台に登場したわけだが、まさか世界王者のItaliyと対戦するとは・・「ご冗談でしょう」という声が聞こえるほどだ。
All Whitesに20歳になったばかりのDFがいる。Tommy Smith、英国生まれのNZ育ち。8歳のときNZへ移住した。すでに中学校時代にプロチームのスカウトの目に留まり、香港で行なわれたU-17World杯に英国代表として出場、皮肉にもNZと対戦するハメになった。NZはTommy Smithを永久に手放すことになるだろうと思われていたのが、FIFAが在住期間が長い国での出場を許可することにしたためTommyのNZへの“帰国”が叶った。
TommyはBay of PlentyのPapamoaでプレーしている。我が家にとってNZで最も縁深く、馴染みのある街だ。

そのTommy SmithがSlovakia戦で、Winnston Reidのヘッディングをアシストして勝利に貢献し一躍注目されている。Tommy曰く“It was nice to score so late in the game. It gives you that extra buzz”(試合の終りの段階でゴールを決め、ドローに持ち込むのは気持いいもんだ。観客の熱狂ぶりが余計に凄い)
TommyはItaly相手の大舞台、ビッグゲームにもかかわらず、怖気ずくところは全くない。

“We've got nothing to lose and no-one's expecting anything from us. We are just going out there to prove to ourselves that we can cope with the best teams in the world”(我々にとって失うものは何もない。誰も我がチームに期待していないだろう。我々は世界の王者に相手として不足はないと思わせるチームであることを信じて試合に臨むだけだ)
身長188cmの注目の若手DFは浮かれるところはない。
余談だが、欧州の優勝候補国、強豪チームが予選突破に苦しんでいる。逆に中南米の強さが目立つ。