重宝な書を頂戴いたし、有難きしあわせ、かたじけのうございます

先日、某大学の学長・理事長に思いもかけない貴重な書籍を戴いた。
フィレンツェ・京都・ダンテ『神曲』などのタイトルに目を惹かれた。奇しくも、学長先生と話題が一致した。しかも、この先生の生まれが荘内藩の鶴岡だというから、ボクも黙っていられない。とたんに、藤沢周平の作品や話題で盛り上がる有様だ。
偶然と云うものは、神の悪戯か、それともお導きか・・? いずれにせよ、これぞ邂逅というべきだろう。
ボクが初めて恩師や先人、先輩などからご本を頂戴したのは45年以上前に遡る。映画翻訳業の駆け出しの頃、日本語字幕翻訳の第一人者の一人(いまもご健在かどうかは不明だが・・)S氏より「これを読んでおくと役立つ」といって贈られたのが“A Primer of Colloquial English”(「会話英語の表現」)。版元は研究社、1951年初版の改訂第一版モノ(1957年発行)である。著者岡村弘氏は≪序≫のなかで、『・・本書は・・・口語体英語の代表的な表現を英国及び米国のの映画ダイアログを研究することに依って、その基礎的知識を身につけようとするものであります』と記されている。

引用されている映画は戦前・戦中及び戦後間もない作品ばかりだが、その台詞はいまなお活用できるし、また、口語とはいえ、英米の格調ある話し言葉だ。
もう絶版になって久しいが、現在に到るまで折に触れ活用している教書、旧き宝のようなものだ。
このたび思わぬ機会に頂戴した書名を次に掲げ、「脱産業社会に向けての課題--『日本人の生きがい構造』研究の自分史」を出された≪レジャー社会学≫の専門家M学長先生に深く感謝申し上げたい。

「芸術都市の創造--京都とフィレンツェの対話」
「国境を越えた源氏物語--紫式部シェイクスピアの響きあい」
レオナルド・ダ・ヴィンチ
そして、非売品の豪華本「ダンテ『神曲』講義」

「芸術都市の創造」の意匠と企画を担当されたM先生は同書≪まえがき≫の冒頭で次のよう述べられている---
“「そうだ、京都、行こう」
静かに始まった、このJR東海の広告コピーに後押しされて、「芸術の都・京都」から「芸術の国・日本」へという京都ルネサンス運動が、いよいよ本格化してきた。かつて「芸術の都・フィレンツェ」から「芸術の国・イタリア」へと、ルネサンス運動の大きなうねりが起きた時のように。”