長引く不況が、米国民のBarack Obama離れの主要因か・・?

昨夜遅くPresident Obamaから“Today is the day”なる緊急メールが届いた。
47年間、故Ted Kennedyが保ってきたMassachusetts州の上院民主党議席をGOPに奪われる危機に瀕しているからだ。


DP候補の同州司法長官Martha Coakley女史が無名ともいえるGOP候補のScott Brown州議員に苦戦し、リードを許しているという情報が、最近の米メディアのトップを占めていた。

Barack Obamaの最後の訴えにもかかわらず、今日、bad newsが届いた。S. BrownがM. Coakley女史を制した。というより、民主党の支持基盤強固なMassachusetts州が31年振りにGOPに城を明け渡したことになる。
GOPは美男子の若造Scott Brownを立て、異常なまでのObama政権攻撃、メディアを用いてまでのネガティブ・キャンペーンを繰り返した。
上院一票をGOPに譲渡する結果となったObama政権にとって大打撃だ。最重要課題Health Care Reform Billの成立にGOP上院が妨害すること必至だ。成立に暗雲がたれこめる。


皮肉にも丁度1年前の新大統領の誕生に熱狂した米国民の世論がBarack Obama氏から離れつつあるのか。支持率の低下は明らかだ。
今回の上院補欠選挙のDP敗北の激震を報じるThe NY Timesは、“A Year Later, Voters send a Different Message”(1年経ち、選挙民は異なったメッセージを送った)とのヘッドライン。

Health Care Reformをめぐる党派対立は根深い。GOPが勢いを得て、上院での可決を阻止すべく徹底抗戦にでるだろう。
皮肉なことに昨日、NY株価が$115高と高騰した。今回の上院補欠選挙でDP苦戦が伝えられ、医療保険改革法案成立が不透明になったとの観測が広がったからだ。法案成立によって業績悪化を懸念している医薬品・保険関連業界株が好反応し、買われたからだという。

Barack Obama政権は余りにも多くのそして重たい課題を背負っている。Medicareだけではなく気候変動対策もそうだ。Obama氏の掲げるCO2削減目標についてもGOP・産業界の抵抗は強い。彼ら保守層は、一般大衆にObama政権の政策は増税につながり、生活を脅かすと声高に宣伝する。

就任1年を迎えるBarack Obama政権が失地を回復し、支持率を高め、agendaに沿った国内外からの真の評価を高めるには、外交面より国内の経済対策、つまり雇用確保を中心とした景気浮揚がカギとなろう。