為政者のhumanism(ユマニスム)を考える

今夕の我が国メディアは、いっせいに、DPJ幹事長の政治資金をめぐる疑惑、元秘書I議員の逮捕をトップで報じた。“コンクリートから人へ”を謳い文句のJDPのGodfatherだが、“コンクリートから人へ”巨額の資金が流れたのではないかとの痛烈な皮肉まじりの疑惑が浮上している。
コンクリートが瓦礫の山となり、首都機能が壊滅状態にある中南米最貧国がある。Haiti。現地時間火曜日深夜、首都Port-au-Princeをマグニチュード7.0の激震が直撃した。

本日早朝President Obamaよりemailが届いた。“Help for Haiti”。ハイチ救援ための緊急呼びかけと要請を米国民はじめ国際社会に発信した。
200年余における中南米最悪の惨事である。300万人及ぶ市民が直接の被害を受け、大統領府など行政機関の建物をも含め都市全体が寸断され、引き裂かれた状態に置かれている。

地震二日目の金曜日、廃墟と化した街は生存者にもじわじわと死が近づきつつある。夥しい遺体。安置する場所さえない。瓦礫に埋もれた人たちを救出する術が無い。重傷者の救護や水、食糧の提供もままならない。クーデーターが絶えず、政情不安を抱え、インフラが未整備のなかでの激震である。

15年目の1月17日の阪神淡路大震災の惨状を想起していた矢先の未曾有のcatastrophic earthquake。阪神淡路の場合と異なるのは、火の手の上がっている建物があまり見られず、代わりにぺしゃんこに潰れた家屋やビルなど目をそけたくなるほどの建物の壊滅状態である。

英紙The independentはヘッドラインで≪“You will not be forsaken”, Obama promises Haiti≫(皆さんを見捨てることはしない)とPresident ObamaのHaiti国民への約束を伝える。

The NY Timesは“Tensions Mount in Devastated Capital as Aid Starts to Reach Haiti”(死滅寸前の危機が迫るハイチに向け救援活動スタート)と米国の緊急行動を発表。2,200人の海兵隊、3,500人の救援部隊、$1億の支援に乗り出した。EU諸国も次々と救援派遣に移る。

日本はどうか。K防衛相が「演習のため派遣されている航空自衛隊C130輸送機を現地に救援に向かわせることを検討する」との考えを示した。
なんとも緩慢で対岸の火事扱いだ。同党最高実力者の足元の火を消すほうに躍起になっている。
米国政権と我が国政権、いずれも新政権だがどちらがhumanistだろう?
Haitiが≪廃地≫として放置されないよう願うばかりだ。