言い訳はいい加減にしてくれJapan Rugby

団体スポーツのなかで最もhardでexcitingなのはRugbyだろう。Test Matchや南半球のNZ, Australia, South Africaの三国対抗など滅多に現地で観戦する機会はないが、TVのSports Chanelを観て楽しんでいる。

第一回World Cupは1987年。ホスト国のNZが初のWorld Championとなった。この時のトライ王がJohn Kirwanである。190cmを超える巨体・俊足のウィングのパワーとスピードは世界のラグビー界を震撼させた。

そのJ. Kirwanが、All Blacksを退いたあと来日し、社会人NECの主力選手として、同チームをトップに押し上げた。
彼は、ラグビーの真髄とは何かを多くの日本人プレーヤーに刻印し帰国したが、再度来日。あれよあれよという間にThe Japan National Teamのヘッドコーチ(監督)に就任した。我が国ラグビー協会の強い要請があってのことだが、J. Kirwan自身が何よりも親日家だ。
2019年World Cup日本開催を導いた陰の功労者はKirwanだろう。またラグビーが次回五輪種目に加えられ、いまやRugby界は追い風に恵まれている。
なのに何故、日本のラグビー人口は減少傾向にあるのか。3K(きつい、汚い、苦しい)スポーツは日本の若者には人気がないのだろうか。

そんな折、J.Kirwanがわが国ラグビー界に物申している。
No more excuses for Japan(日本はもはや言い訳は許されない)と同氏は次のように直言---
「今世紀も新たな10年目に入った。ラグビーについて言えば、日本はこれまでのあり方を本気で反省すべき時だ。もはや言い訳は許されない。
才能あるプレーヤーも数多く存在する。世界の頂点を目指せない理由は見当たらない。頂点に立つためにはプレーヤー一人ひとりが自分のプレー、役割に対して責任を持つことだ。・・当面の目標は2011年World Cupへの出場資格を確かなものにし、アジアチャンピオンになることだ。それには誰もが現状よりステップアップする必要がある。外国人に頼らない有望な日本人プレーヤーの誕生を願っている。優れたプレーヤーも多いが、選手同士のコミュニケーション能力が欠けている。彼らは世界のトップに立つには何が必要なのかはわかっているはずだ。彼らに最も必要なのはゲームの後、言い訳しないことだ。
ラグビーの全国水準を底上げするには、国内の高校・大学の一流選手150名を選抜しWorld Cupに向けてのトレーニング・メニュに組み込むことだ。
今週初めに全国高校ラグビーの決勝戦を観た。少なくとも5人はエリート養成プログラムに加わるスキルとパワーを持っている。
また、海外からやってき優れた“日本人”プレーヤーが数多くいるということだ。私の見方では、M.LeitchやR.K.Holaniなどは日本で教育を受け、日本で育っている。
過去10年間で日本ラグビーのレベルは大きく向上した。世界でトップ13位内に常時ランクされ、トップリーグの水準も年々アップしている。
願わくば、今後10年内に環太平洋ラグビー選手権試合の実現を目にしたいものだ。10年という年月は短くもあり長くもある。が、Japan Rugbyにとって伸るか反るかの10年いえよう」

ラグビー・ファンとしては、“親日家”で類稀なるラグビーの権化John Kirwanの日本ラグビーに寄せる意を汲み取り、同氏が愛想を尽かさないよう、世界に通用する“Japan”の飛躍を期待したい。