タリバンは組織か?

バグダッドで連続爆弾テロ。死者150人、2007年以来最悪だ。
President Obamaが「言語道断」と激怒。他方、アフガンでNATOのヘリが墜落事故、14人の米兵が犠牲になった。

原点はやはり“9.11同時多発テロ”に対する米軍の対アフガン報復侵攻にある。掃討したはずのタリバン(Taliban)が巻き返しをはかり、いまやアフガンは混迷、出口なしだ。

現在、タリバンという存在は果たして組織なのか。ボクなど素人でも首を傾げる。タリバンの原義は“神学生”だが、かつてのタリバン政権時代、重鎮だった某氏に言わせれば、「米国の侵攻後、タリバンという言葉の定義が変わった。今では『自由と独立のため米国と戦う者』となった。戦わない者はタリバンではない」「現在のタリバンは少数の集団の集まりで、1つの組織の統率の元に動いているわけではない。個々のタリバンが自立的に攻撃を仕掛けているのようにみえる」
ならば、タリバンは“・・主義”をもとにしたゲリラだ。掴みどころがない。
President Obamaが「穏健派タリバンとの対話」をアフガン政策の柱としているが、“オバマ氏は一体誰と対話するつもりなのかね”とタリバンの元重鎮は疑問を投げかける。

「外国軍が最後の一兵を撤退させるまでタリバンは闘争を続けるだろう」と同氏。米国のアフガンへの増派も、日本政府の文民派遣も「愚かな選択だ。タリバンから見れば軍隊も支援部隊も同じだ」
元重鎮の言葉は不気味だ。米国もNATOもそして我が国も、タリバンをAl-Qaedaと同列視しているとすれば、大きな誤りだろう。30年前、アフガンに侵攻し、遂には敗退の憂き目にあった旧ソ連の二の舞、米国もまた出口無き戦争の泥沼に足を踏み入れているのではなかろうか。

“Obama's War in Afghanistan”は御免被りたい。