ハブはハブでも蛇は猛毒だ

DPJ内閣成立後、一ヶ月経つが、閣僚各位がいささかはしゃぎ過ぎだ。
補正予算の見直しにしても、来年度予算編成方針にしても“税金の無駄遣いを止める”とか、“コンクリートから国民の生活重視へ”などと声高に叫ばれると一般的に肯かざるを得ないが、現実はいかがなものか。
半世紀前から地域住民の苦渋の選択のなかで、進んでいた大型ダム工事を廃止。経費節減だというが、地元の怒りと戸惑いは隠せない。
今度はハブ空港問題が浮上した。

ハブ空港(airline hub)とは、各地に放射状に伸びた航空路線網の中心として機能する「拠点空港」を意味する。航空路線網を自転車などの車輪に例えれば、車輪の幅やスポークの部分が「航空路」、軸の部分が「空港」に当たるところからこの名称がつけられたという。
アジアではハブ空港といえば、韓国ソウルの仁川国際空港だけらしい。
そこで日本にもハブ空港をというわけだ。

国交大臣が「羽田をハブ空港にしたい」と宣言した。関空はどうするんだと大阪府知事が疑問を投げかける。
成田国際空港はどうする。ひと言の説明も相談もないと千葉県知事は激怒する。空港建設に土地を提供した成田の住民も怒りは深い。東京と神奈川の行政側は大喜び、財界幹部も歓迎の意向だ。地方自治体同士の確執と対立が目に見えている。DPJの成田離れの背景にはJALの経営不振もあるように見られる。
国交相M氏は物議をかもす発言の連発だ。DPJのマニフェストだと言えばそれまで。Manifestoに沿ってれば、何を言おうが何をやろうが勝手と云うわけか。
ハブは猛毒だ。慣らすのも簡単じゃない。噛まれたらおしまいだ。