Nobel Peace Prize to Obamaはサプライズだが the bad newsではない

昨日午後、The NY Timesのbreaking newsが飛び込んできた。
“In Surprise, Nobel Peace Prize to Obama for Diplomacy”

その後次々と米英主要紙がHeadlineを掲げる。
The Washington Postの見出しは“Obama Strikes Gold in Scandinavia”
先日のコペンハーゲンでのOlympic 2016の指名争いで完敗したObama氏が同じ北欧で仇討ちを果たしGold Medalを獲得したという皮肉交じりの見出しだ。
本日のThe NY Timesは“Surprise Nobel for Obama Stirs Praise and Doubts”の見出しのもと、Obamaのノーベル平和賞受賞に対する賞賛と疑問の声を載せる。
Nobel Peace Prizeは特筆すべき(世界平和ための)功績・実績を残した人物が受賞するという従来の慣例に照らば、今回は異例である。
ノルウェイの選考委員会はObama氏受賞の理由として“extraordinary efforts to strengthen international diplomacy and cooperations between peoples”(国際的な外交と諸国民の協力を強化するための並外れた尽力)を第一に挙げ、特にA Nuclear-Free World(核なき世界)を目ざすと宣言した、あの“Obama Prague Speech On Nuclear Weapons”により世界平和への流れが強まるだろうと期待する。
The Christian Science Monitorの問いかけ“How world views Obama Nobel Peace Prize”が妥当なところだろう。

英紙The Independentは“Nobel honour stuns Obama---and the World”(ノーベル賞オバマも世界も戸惑い)なる見出しでかなりの批判的コメントを載せている。
“Well done Barack Obama; thoroughly deserved”(でかしたオバマ!受賞する資格ありだ)と素直に喜ぶ声もある反面、皮肉に満ちたコメントも多い。
“Interesting that the decision seems to be based more on rhetoric than action”(実績よりも言葉力をもとに選考された点、興味深い)
“The New Nobel Peace Prize should not only give a new meaning to the word peace but the award itself should also have a new form”(平和という言葉に新たな意味を与えたばかりか平和賞そのものに新しい形を作った新ノーベル平和賞と言うべし)
“It is like saying we will give him an A+ before he has even taken an exam”(まだ受験もしていないのに早々と“優”の評価を与えるようなものだ)
次のような酷評はいかがなものか?
「何ら実績がないじゃないか。国内の金融危機のへの対処、中東問題、ドルの下落、アフガンへの増派問題などリーダーシップが見られない。受賞は辞退すべきだ。馬鹿げている」
「今回の選考は人種主義によるものだ。大統領としては優れているが、就任10ヶ月も満たないのにノーベル平和賞はないだろう。オバマが黒人初の大統領だから受賞することになったのだ。私がオバマならば辞退するね」
“時期尚早”という声も少なくない。
The Washington Postの分析“Peace Prize Awarded Based on Achievement or Aspirations”(受賞は実績によるもかそれとも期待を基にしたものか)が順当なところだろう。

Barack Obamaは“Surprised and Humbled”(驚きを隠し切れず謙虚に)次のように述べている。
“To be honest, I do not feel that I deserve to be in the company of so many of the transformative figures who've been honoured by this prize”(率直申し上げ、私などには、かかる名誉ある賞をこれまで受賞された多くの多彩な方たちの仲間入りをする資格があるとは思いません)
選考委員会はBarack Obamaを世界のleading voiceならぬthe leading spokesmanと明言している。

むしろ、今回の受賞のプレッシャーがPresident Obamaの肩に重くのしかかり実行と実績が問われるだろう。さらに言えば、同氏の言葉と行動に世界がいかに呼応・協調するかが一層問題になってくる。
最後に誰もが銘記すべき次のよう言葉を名もない英国人がひそやかにもらしている。
“My hope is the belief that love is more powerful than hate and that one day world peace shall prevail”(私の願いは次の点にある。それは、愛は憎しみよりも力強く、いつの日か平和が必ず世界を制覇するだろうという信念だ)