Myanmarを認知しないBarack Obamaの行動が待たれる

3年前にBarack Obamaが著した“The Audacity of Hope”(果敢な希望への挑戦)が手に入った。サブタイトルは“Thoughts on Reclaiming the American Dream”(アメリカの夢の再生の想い)。

「政界に身を置いてほぼ10年になるが、自身35歳、法科大学院を出て四年、結婚間もないころ頃のことを思い出す。シカゴのコミュニティオーガナイザーとし活動するかたわら、周囲の勧めもあって政界に乗り出そうとしていた頃のことである。キャンペーンに行く先々で、決まったように次のような問いを投げかけられた。
『変な名前だな。どこでそんな名をつけたんだ?』
『結構かっこいい男じゃないか。なんで政界みたいな汚く不潔な世界に入ろうとするんだね?』」
Barack Obamaは明解に答える。
「私はこの種の質問に慣れていた。数年前初めてシカゴにやって来て、貧民街で働いていた頃の人々の問いかけとは異なる質問だった。それはcynicism(皮肉な言葉)というものであり、政界のみならず一般の市民生活に渦巻く言葉だった。少なくとも私が政界進出の拠点にしていたサウスサイド街において顕著だったが、このcynicismは“破られる約束“の時代に根付いてしまったものである。こうした疑問に対し私はいつも笑顔でうなづきながら答えたものだ。『懐疑的になるのも理解できる。けれども米国の政治にはもう一方の伝統がある。米国建国の時代から栄光の市民権運動に繋がってゆく伝統だ。そして・・』」
President Obamaの夢と希望は現実味の薄い掛け声だけのものでか。あるいは、世間知らずの危険な冒険だと言うべきか。

昨日のAung San Suu kyi(アウンサン・スー・チー)女史に対するビルマ独裁政権による18ヶ月間の自宅軟禁延長措置を厳しく批難し、Barack Obamaは“immediate unconditional release”(即時無条件解放)を求めた。Obama氏は明言する。
「自国民抑圧の考えは成功し長続きすることはない。世界の現状を見ろって? 不当判決といえば、ビルマの数千人に及ぶ政治犯のことを考えざるをえない。たとえばアウンサン・スー・チー女史だ。彼女が自由を奪われているのは、Burmese citizens(ビルマ国民)の意志と権利と願いを尊重する政権の樹立を希求しているからだ」

ここで重要なのは、President Obamaが国名を軍政前のBurma(ビルマ)と呼びを軍事クーデターで変名されたMyanmarと呼ばない点だ。
軍政の呼称Myanmarを公式に認知しない米国だ。President Obamaはこのあたりで北朝に派遣したBill Clinton氏など超大物をBurmaに乗り込ませたらどうだろう。北朝の核関連物資を積んだ船舶かひそかにMyanmarに停泊し、相通じ合っている模様だ。
Burma独裁政権、juntaは東南アジア諸国のなかで際立って密室に包まれ、very nasty(吐き気をもよおす)と言うべし。