release(解放)か?それともpardon(赦免・特赦)?

Former President Bill Clintonが北朝に拘束されていた米人女性記者2人をLAに連れ帰った。Laura LingとEuna Lee、いずれもSan Franciscoに拠点を置くCurrent TVの記者だ。Clinton氏が使用した航空機はprivate jet。“私人として”Pyongyangを電撃訪問し、Kim Jong-ilと3時間以上に及ぶ会談をこなし、会食したともいう。

Current TVの創設者の1人はAl Gore元副大統領だ。そのため、The White Houseは当初水面下でGore氏を北朝へ派遣する意向で打診していたが、Pyongyangはこれを拒否、Gore氏では役不足で“不都合”だという。Clinton氏が来訪すれば、2人の記者の放免に応じると確約したらしい。
そこで超大物がかつての側近を従えて北朝詣でとなったわけだ。それにしても、昨年、熾烈な大統領予備選民主党候補指名争いで夫人Hillaryを破った“政敵”Barack Obamaの名代としてご主人Billが難敵Kim Jong-ilに面会するとはなんとも皮肉なものだ。

北朝は異例の大歓迎、メディアも浮き浮き気分だ。Bill ClintonがObamaのメッセージを将軍様に託したとか、“謝罪し深謝”したとか、都合のいいセリフが飛び交う。さらに、Bill、Kim会談をTVで大写しし、Jon-ilは“ill”ではなく、健在だとクローズ・アップできるオマケつきだ。
ところで、The NY Timesのヘッドラインは“In Release of Journalists, Both Clintons Had Key Roles”、The Washington Postは“N. Korea Releases U.S. Journalists”と、両紙ともrelease(釈放)と表記しているが、北朝にしてみれば、使者として元大統領を派遣し、謝罪したので“pardon゜(特赦)したと主張する。どうやら、今回の解放劇は、Hillary Clinton国務長官が暗に言及しているように、releaseというよりpardonが正しいようだが、President ObamaからKimへのメッセージとBill Clintonの“謝罪”についはThe White Houseは否定している。
ともあれ、Clinton夫妻の今回の役割が大きかったことは確かだ。
我が国もFormer PM Koizumiか誰かが、拉致被害者の引き取りにprivate Jetかヘリを使ってN. Koreaへ飛んだら如何?