打率4割の至近距離にいる最後のMLB All Stars Playerは静かで優雅な芝刈りスラッガー

我がMLBのファン球団は30数年来Minnesota Twins一筋だ。旧Washington SenetorsのこのティームはTokyo Domeの見本となった球場Metrodomeに移転した当時は万年弱小球団だったが、その後World Series Championsにもなって名をはせた。が、トリー・ハンターやサンタナなど名手が育つと、莫大な契約金を要する。貧乏球団のThe Twinsは支払い能力がないため他の金持ち球団に放出しなければならいな循環が続いている。ファンにとっては悔しいことだが、我が国のどこかの地方球団に似て、貧しい球団に共通する悲哀だ。
でもこのところ、The Twinsに地元生え抜きのスラッガーが颯爽と登場し、脚光を浴びている。今年もAll Starsに選ばれるだろう。
26歳の若い捕手Joe Mauerだ。今期は春先怪我で欠場していたが、五月にスタメンに顔を出した途端、打撃は好調を持続している。
物腰は静かで優雅だが、そのスイングは相手チームを粉砕する。
掛け率は低いが、打率4割を狙える捕手として注目を集めている。何故か、彼のスイングは単純でバットとボールが見事なハーモニーを奏でる異色の打者だからだ。

チームメートの外野手Demon Youngに言わせれば「4割は可能だと思うよ。彼の冷静さには舌を巻く。家でTVを観てればいい。何もチケットを買う必要などない。いつか子供たちが『ぼくたちは、最後の4割バッターとプレーしたんだ』と自慢するさ」
昨夏、All Star Gameに出場したMauer。NYでの試合が終わると、直ぐに飛行機で故郷St. Paulに戻り、試合終了後八時間も経たないうちに、静かに何事もなかったかのように自宅の庭の芝を刈っていた。楽しそうなJoe Mauer、その名をなぞってJoe Mower(芝刈りジョー)と呼ぼう。