新しい生の誕生に死のリスク--swine fluが途上国に感染したら・・

The NY Times最新号はDeath In Birth--“Where Life's Start Is a Deadly Risk”(死のリスクが高い生の誕生)を報じる。
臨月どころか出産2日前まで、過酷な労働に駆り出されていた若い女性が病院に担ぎ込まれた。母子の命が危ない。帝王切開以外方法がなく、産科医でもない素人が手術。子供は助かったが、若い母親は息を引き取った。ベッドの夫人の亡骸のそばに腰かけ、産声を上げたばかりの子供を抱きながら、夫が涙にくれている。タンザニアの現状である。

いま、妊娠中や出産時に世界で年間536,000人の妊婦が命を落とす。その半数以上がアフリカ諸国だ。
年間約13,000人の産婦が死亡するするタンザニアの場合もそうだが、
避けられない問題かというと、そうではない。政治的には安定しつつあるが余りにも貧困すぎる。医者、看護婦、薬品や医療器具が不足し、道路やインフラが不完備だ。
いま世界40か国に広がり感染者が2万人に及ぶswine flu。弱毒性と言われ、死亡率もさほど高くないが、もしアフリカなど貧しい発展途上に移ったらどうだろう。WHOは予測される惨状を憂慮する。