Swine FluとSARS(Severe Acute Respiratory Syndrome)の決定的違いは・・

日本で新型インフルエンザの感染者が急増。米紙NY Times com.も速報し、WHOも注目しているが、ムードに弱い我が国特有の過剰反応に「Tokyo Flue」と揶揄する米国人もいる。
感染者は世界で40ヵ国以上、9000人に迫りつつあり、NYでも集団感染が再発し、死亡者も増えているが、その割に大騒ぎしない。
The NY Timesは日本を「インフルエンザについては格別に神経質で、高齢化が進み、国民は清潔好き、地下鉄ではマスクをするのが普通」と紹介している。
が、今回のflu感染者は中高生など若者に多く高齢者は少ないのが特徴だ。どうも、生徒同士のスポーツ大会や合同練習会が根源ではなかろうか。楽観視するわけではないが、今度の新型、感染力は強いが弱毒性のようだ。

2003年4月に発生したSARSとは決定的に違う。SARSはその名の通り、重症急性呼吸器症候群だった。一度発生したら根絶は困難だった。世界で初めて発症者が現れたのち、ほぼ1か月経た丁度6年前の今日(5月18日)、WHOが「中国・台湾を除き、ほぼ世界各国のSARS症候群は終息を迎えつつある」と宣言した。感染した国は28か国、感染者は7,761名とSwine Fluよりはるかに少ないが、死亡者は少なくとも623名、死亡率は8%を超える高さだ。我が国の感染者がどの程度拡大し、症状は米・加・メキシコ程度のものか、予断は許さないが、過剰に安全性を叫ぶあまり、人々の日常生活を余りにも制約するのはいかがなものか。
あのSARS汚染当時、カナダで最も感染者が多かったTrontoで市立病院の小児科医が『SARSの対応に追われているせいで、医師としてのしかるべき仕事、特に外来患者の診療ができない」と嘆いていたことを思い出す。
過度なSevere Acute Flu Syndrome扱いだけは避けてもらいたい。