米消費者に価値観の変化-消費から預金にシフトは景気回復を遅らせる

我が国でもそうだか、長引く不況がアメリカ人の生活の価値観を変えつつある。人生において必要なものは何か、究極的に自分たちを幸せにするものは何か、この再評価が“強欲生活”に取って代わろうとしている。経済不況により倹約文化の台頭に直面か。
そのわけは、米国人が経済面で突然道徳性が高まり、消費万能の生活スタイルの誤りに気づいたからではない。むしろ、専門筋に言わせれば、我慢して倹約生活を続けるほか選択肢がないからだ。

こうした消費生活から倹約生活の逆戻りは、これまで分不相応な消費にうつつを抜かすことで知られていた消費者階級にとっては健全な変化と言うべきだろうが、国の経済は下落し委縮する。
米国ビジネス界はもっぱら国民の消費生活に依存してきただけに、国民の消費生活からの“引きこもり・撤退”は、国の経済の立て直しにとって逆流となる。
経済不況のもたらす悪循環のスパイラルからの脱出は並大抵ではない。出口無しではないだろうが・・・。