憲法の日に書物の友に囲まれて・・

憲法の日、シャレじゃないがまるで初夏の日に書架の整理に半日を過ごす。昨今のeconomy depression、financial crisisやswine fluに襲われ、例年加熱する憲法論議が嘘のように沈静化している感じだ。心なしか改憲反対国民が多くなったようだ。が、油断ならない。

北朝のミサイル発射、核再開発の強硬路線などに勢いを得て、国防や集団自衛権に名を借りた好戦派のキナ臭い動きを警戒しなきゃなるまい。ロス郊外に長く在住する米谷ふみ子さんは年寄りだからといって『私の戦前から戦中の経験を書き出すことによって、どうして戦争に反対なのか、なぜ個人の権利を守り、戦争の放棄を守り、人の命を守るのかを伝えたい。それは、日本人として唯一世界に自慢できる、一番品格のある憲法を遵守して欲しいからです』と“黙っていない”。
いま多忙極まりないO.Hくんの言うとおり『憲法九条を世界遺産に』である。そのO.Hくんは高校時代、友だちがいなかったと言う。彼にとって友は書物のなかにいた。現在もそのようだ。
幸田露伴の次の言葉を銘記したい。
「どんな人もその気になれば友だちは見つけられる。現実生活に友だちがいない人にも、唯一友人を準備してくれるものがあるとすれば、それは書籍だ」(長田弘:『読書からはじまる』より)
それにしても、書物の整理は心身に堪える。