“Buy American”とは保護主義か・・?

議会を通過した米国の「景気対策法案」に“Buy American(米国製品の購入)条項”が盛り込まれていることで、G7で懸念が広がった。世界経済・国際貿易に保護主義の動きを加速させかねないからだ。

が、The NY TimesのWeekly Review最新号を注視すると、著名なマクロ経済学者N.Gregory Mankiw氏が、World Trendsに“Now Is No Time for Protectionism”(今、保護主義に走る時期ではない)と題した論評を寄せ、“As we sort through the wreckage of our financial crisis, a retreat into economic isolationism is one mistake we want to be sure not to repeat”(いま我が国は破滅的金融危機を克服しようとしているが、経済的孤立主義への退却は我々が決して繰り返したくない過ちの1つである)と結んでいる。
もっとも、Minkiw氏は前ブッシュ政権時代の経済諮問委員会の会長を務めていた人物である点からみれば、この論調はObama政権への警告であると受け止めるべきだろう。米国のみならず、世界の期待を一身に背負い登場したPresident Obama。その動きはスピード感に満ちているが、閣僚級の大物が四人も指名辞退するなど、つまづきも見られ、外憂内患は予想をはるかに超えて深刻だ。
国際情勢をいかに正確に読み解くか。難題だ。
しかるに、日本のメディアはTVはもとより、主要紙さえ海外有力紙に比べて外信・国際面が貧弱すぎて読むに値しない。
だからこそ、圧倒されほどの語数や難解な語彙に悪戦苦闘しながらも、The NY Times, The Washington Post, The LA Times, The Chicago Tribune, The CS Monitor、そして英紙The TimesやThe Independentなどクオリティ・ペーパーに出来るだけ目を通さなければならないと改めて実感する。