我々がつくり出した問題は自分たちで解決--意思的楽観主義と無策・愚策の責任転嫁・諦観主義の違い

『深刻化する経済危機の原因は“カジノ資本主義”を野放しに推進してきたこれまでの経済政策にある』『The Wall Streetの重役達は、ほとんど規制されずに、説明責任も負わず利潤を追求してきた』とPresident-elect Barack Obamaは痛烈に批判。その上で『今回の危機のほとんどが、我々自身の経済政策の失敗によってつくり出されたものならば、我々自身の手で解決できるはずだ』と政策転換の必要性を強調した。
米国は昨年一年間で260万人の雇用者減を記録。第二次大戦後最悪の数字だという。Obama氏は二年間で300万人の新たな雇用創出を実現すべくかつてない大規模な景気対策に乗り出す決意を表明。『負担の重たさは覚悟のうえだ。何もやらなければ我々の経済から職も収入もなくなる』と説いた。これこそ“意思的楽観主義”と評価すべきだろう。

我が国はどうか。リスクを考慮せず、事業の減収を理由に次々と派遣切りや非正規切りを恥じもなく続ける企業経営者。就職内定取り消しの学生に卒業延期を認める大学もあれば、離職や家計急変のため経済困窮に陥った入学生に学費一部免除を打ち出す大学もある。都内で「派遣村」を立ち上げる異常ななかで、政界の当事者能力と無責任さが際立つ。第二次補正予算や労働者派遣法などをめぐる与野党間での綱引きが続く無策のまま時が流れてゆく。首相のコメントは曖昧でまさに「小人は革面する」そのものだ。雇用創出、解雇ストップの具体策は全く見られない。
メキシコ政府は雇用創出と家計支援策を発表。中国当局も大卒者の就職支援に乗り出したした。
Economic Giant、GDP世界NO2などともてはやされたのも昔日の感あり。我が国の“政治力”の弱体化は目を覆うばかりだ。