Hamasは本当に悪者か・・・?

パレスチナ自治区ガザ(Gaza)へのイスラエル軍の軍事作戦は狂気じみている。Gazaで国連の運営する学校まで砲撃し、多数の死傷者が出るほどだ。イスラエル側は「ハマスが国連学校を『人間の盾』にしている」と云うが、国連バレスチナ難民救済事業機関のガザ地区担当責任者は「学校の経営陣、わたしたちの職員などに何度も確認しているが、学校にハマスの軍要員は誰もいなかった」とイスラエルの言い分を否定した。

イスラエル当局がガザへの外国人記者の立ち入りを禁止しているのも変だ。安保理がガザ停戦決議を採択したが、米国だけが棄権したのもキナ臭い。棄権の挙手をしたのはライス国務長官だ。次期Obama政権のHillary Clinton新国務長官ならどうだったろう?
イスラエルイスラム武装抵抗勢力ハマスをテロ集団呼ばわりにし、悪者扱いにしているが、果たしてそのように決め付けられるか?
2001.9.11の半年後の2002年2月、故エドワード・W・サイード大江健三郎氏との往復書簡の中で述べている。
「大江さんのご指摘通り、日本も含め世界中がテロとの闘いに動員されたらしいのに、『テロリズム』を十分に定義した者はいません。この用語の定義をめぐり国連は七十年代半ばに数年間も論争しましたが、すべてを包括する共通の定義は見いだせなかったのです。問題は『テロリズム』という言葉が、概念の内容も不明確なままに、気に入らないもの、邪悪な行為、当局の敵などを指して用いられているため、力の優勢を背景とした無頓着と破壊性が引き起こした抵抗や、自暴自棄の行為かもしれぬものが見えにくくなっていることです。ビンラディン一味の所業や主張がテロリスト的であるということに、異論はありません。彼らは罪のない人びとを無差別に殺戮し・・・。
けれども『テロリズム』という言葉を、パレスチナ人によるイスラエルへの反撃のすべてに、画一的に適用することは大きな誤りです。・・・・すべてのアラブやムスリムにとってイスラエルの行為は国家テロであり、パレスチナ人の行為は、時にはすてばちなテロに訴えることがあってたとしても、多くの場合その暴力に対する抵抗なのです」
英紙The GurdianはGaza without Hamas a greater threat(ハマス無しのガザは一層の脅威となる)とコメントしている。
エジプトが停戦案を検討するなかにあっても、イスラエル軍ガザ地区への攻撃は続く。罪無き住民たちを襲う悲劇は想像を絶するもがある。