本物のsense of humorやjokesに欠ける面白くもないバラエティ番組

いま流行のTVのバラエティ番組やお笑い番組の多くは騒々しいだけで、面白くもない。ユーモアやジョークの何たるかを解らぬ出演者が大げさにわめいて客に笑を求める。お客の方は無理して笑っている。
ずいぶん昔、一時期、英米ジョークと艶笑小噺の接点を探ったことがあるが、Kenneth Bird氏がhumorを次のように定義している。
“Humor is falling, downstairs, if you do it while in the act of warning your wife not to”(ユーモアとは、自分の奥さんに階段から落ちないように注意している最中に、自分が階段から落ちること)
25年前になるが当時の大学共通一次試験に“It is often said that an American starts a speech with a joke, while a Japanese has an apology to make”という一文が出ていた。
米国人の日常会話やスピーチでのジョークの位置づけの大きさは日本人の想像を超えるものがある。
日本の政治家やビジネスマンがもう少しjokesが解り、使えれば、日米間の交渉ごとももっとスムーズは運ぶのではないだろうか。

ところで、我が国での英米ジョーク集(対訳つき)の草分け的存在として『開口笑話』というのがあるが、この著者は福沢諭吉翁。福沢は人生を一場の茶番狂言とみなしたという。諭吉による『時事漫語』・・この“漫語”がもとで、それまで“ポンチ絵”などといわれ、軽視されていたマンガが“漫画”と呼ばれるようになったとか・・・。諭吉は『時事漫語』のなかで「人間万事戯来戯去」と浮世を茶化してる。

「無理して面白い話をしようとすると、その話しは面白くない」
福沢諭吉の著述をじっくり読み、素直に浮世について喋るよう心がけることにする。