これが“人間力”か・・あらためて王道に感動

王監督が退任を表明した。同年のボクにとっては、ついに来るものが来たという感じだ。
本拠地での試合終了後の夕刻、1時間の記者会見が行われた。その一言一言に聴き入った。王さんほど聴き入る価値ある言葉を語る大人が、プロスポーツ界のみならず他にいかほど存在するだろうか。「結果責任」という言葉が出た。前農水相が原稿を見ながら同じ用語を使って辞任したが、意味の重みが違う。
誠実さが伝わってくる。気取りや身構えがなく、飾り気がない。レトリックや何処かで聞いたようなセリフなど使わない。自問自答しながら自分の言葉を紡ぎだす。
英字紙や海外の通信社が大きく報道した。Oh calls it quits(The Daiy Yomiuri) / Oh announces plan to step down as Hawks' manager(AP)
王さんの言葉は明確だ。英語に直しやすい。
『・・大きな転換点としてチームのため、選手のため監督を交代するのが一番だと思った』(I think it is best for the team if changes are amde)(AP)
「この監督のためならやりたいと思わせる人柄」「人をひきつける不思議な魅力をもった人」だと、いまMLBで活躍する日本人選手は誰もが崇拝している。
美空ひばりと王さんは親交が厚かった。互いに崇拝し合う間柄だったといえる。二人に共通点がある。偉大で別格である点だ。
言葉力でだけではない。まだボクにはその意味を説明できないが、いわゆる≪人間力≫というものが王さんにはあるわけだ。高校時代から彼の進み行きを気にしてきたボクにとって、真のプロフェショナル、≪王道≫の終焉を感じざるを得ない。

今日、『女の一生』(森本薫)の朗読劇をみた。所作無し、装置無しの話芸の価値を知った。パントマイムと並んでこれも芝居の王道だろう。