破綻するBush路線と距離を取ろうとするが・・

かつてない衝撃で大揺れの米金融界。100年以上の歴史ある有数の証券大手の破綻に始まり、保険最大手AIGへの公的資金投入を余儀なくされた米現政権に抗議が殺到している。無理も無い。納税者国民にとって自分たちの納めた税金を保険会社に横流しされるからだ。
NBCのニュースキャスターは「米国の納税者は今や、巨大な保険会社の誇り高き所有者となりました」と痛烈に皮肉っている。
共和党大統領候補者Sen McCainも右往左往だ。Lehman Brothersが経営破たんした15日、「我が国経済の基盤は強い」と述べて相手のSen Barack Obamaはもとより多くのメディアから相次いで批難され、McCain氏は豹変した。SEC(米証券取引委員会)のコックス委員長を槍玉に挙げ「委員長は国民を裏切っており、投機筋やヘッジファンドへの監視を怠ったことで市場をカジノ化した」として「自分が大統領なら解任する」と発言。当然、委員長は反論している。McCain氏はPresident Bush政権とどのように距離を置くかが今後の大統領選のカギとなりそうだ。
ちなみにBarack Obamaは、McCainの認識の甘さを指摘し、同氏の「富める者ものをさらに富ませれば、繁栄が周りにも広がるとの哲学」を批判している。



折しも、ライス国務長官がロシアによるグルジア侵攻、南オセチアなどの独立承認に対し“West must resist Russian 'bullying'”(西側諸国はロシアの弱いものイジメに断固対抗しなければならない)と異例に激しい口調でロシアを批難した。
新冷戦時代の始まりか。これもBush政権の外交戦略の一環だ。Russiaは共和党政権の継続(McCain政権の誕生)を警戒している。John McCain氏は外交戦略もBush路線といかに距離をおくか。動向に注目したい。
我が国では農水相の遅きに失した辞任がトップニュース。激動の国際情勢をよそに極楽トンボだ。