戦場に赴く母親兵士に子供が訊く-「どうしてイラクに行かなきゃならないの?」

イラク駐留米軍のうち10000人が女性兵士。その三人に一人が母親だという。
戦場から帰還した母親兵士の後遺症は深刻だ。家族との絆が切断されるケースが少なくない。
40代半ばの母親曹長が再びイラクに赴くことになる。長く軍務についているいわば職業軍人だ。
今度のイラクへの従軍について母親が二人の子供に理解させようとする。
小学生の息子が口を開いた。
「ママにはイラクへいってほしくない。撃たれるかもしれないから」
そして母親に問いかけた。
「どうしてイラクにいかなきゃならいないの?」
「陸軍の命令なの」
「どうして命令しなきゃならないの?」
母親は言葉に詰まる。上の娘は問いかけさえしない。
「子供に理解させることはできません」といって涙を拭う母親兵士の心底に宿るものはなにか。

イラクの治安が安定に向かっているというが、昨日も爆破テロで多くの死傷者が出ている。過酷な戦場である現実に変わりはない。
家族をズタズタに引き裂き、帰還した兵士を精神的破滅に導きかねない悪夢を米政権など戦争当事者はわかっているのだろうか。