苦労人の誠実な言葉は重く心に響く

某スポーツジャーナリストは相撲協会前理事長時代を“失われた6年である”と酷評した。同感だ。なぜあのような人物を歳若くして理事長に推挙したのか。春日野理事長時代から決まっていた路線らしい。あきれたものだ。現役時代強すぎた大横綱だったことは確かだが、協会のトップになってから、指導性・責任感が微塵も感じられなかった。
新理事長は苦労人だ。九月場所初日の昨日、心のこもった謝罪の言葉と並々ならぬ決意表明を聞き、その誠実さを実感した。元横綱三重ノ海、毎朝厳しく部屋の力士を指導して横綱大関を誕生させている。誠実な苦労人は組織をリードできるはずだ。

英紙The Times電子版最新号は、いま日本で大問題になっている「事故米」事件を大きく伝えている。ヘッドラインは強烈だ。
“Tainted rices poison Japanese sake celebrations”(汚染米は日本の祝い酒に毒を入れる)

事故米などという誤魔化しの言葉は使わず、ズバリ汚染米と呼ぶべきだろう。
同紙はこうした事件をスキャンダルとしてとらえる。そして、そのほとんどが“行き過ぎたコスト削減”手段(あくどい儲け主義)の結果が招いたものだと断言する。
かかる不祥事を一掃するには、知恵と決断力のある誠実なリーダーが不可欠だ。今の農水相で大丈夫?