人間の望みを汲みあげる政治家が今いるか・・?

共和党全国大会でのJohn McCainの大統領候補指名受諾演説は、Sarah Palin女史のスピーチに食われた形となった。Pick of Palin(ペイリン指名)は“The Best Choice”。この言葉が響く以外、
McCainのスピーチは単純なフレーズの羅列だけで、Post-Bushの明確な図面は描かれていなかった。それでも、米民主・共和両党の大統領候補は政治家としての資質はあると思う。
一方、政権党の総裁選びに向けての前哨戦が始まった日本の政界はどうだろう。誰もが『日本の危機』と叫ぶ。ならば、国民の望みを汲み上げ現実に生かしてゆこうとする政治家が現れるだろうか。望み薄というべきだ。
極言すれば、いま我が国には政局はあっても政治は存在しない。
だから、世界から注目されないわけだ。
「人の晩年は、心身ともおぼつかなくなる時期ではあるけれども、それとは別に若いころには思いもかけなかったような、人生の稔りのごときものが目に入ってくる時期でもあるらしい」
藤沢周平未刊行エッセイ『帰省』のなかの一文である。
日本の指導者を目指そうとする人たちが、果たして年代を問わず、“政治家人生の稔り”のようなものが視界に入っているかどうか大いに疑問だ。