Skipper王さんの胸のうち

王ホークスが24試合に及ぶセパ交流戦を制した。タッチの差での優勝だったが選手たちの喜びは爆発した。
一方、インタビューを受ける王監督に笑顔はない。いつも感じることだが、王さんは能弁ではない。言葉を1語1語しっかり選んで答える。
誠実で的確で、話しに内容がある。野村さんのような語録には縁のない人だろうが、剛健なプロフェショナルそのものだ。試合中のベンチでの表情や動きから、選手・コーチ・球団スタッフとともに一喜一憂し、苦労と悩みと喜びを分かち合っている姿が伝わってくる。
尊敬され敬愛されている王さんを実感できるとボクは嬉しくなり、強い共感を覚える。同年代のせいもあるが・・・。
王さんは野球チームの監督というより、大きな艦船の艦長(skipper)というべきだろう。この艦長には胸に秘めた決意があるようだ。周囲の人たちは悟っている。
「監督にとって今シーズンが恐らく最後になるだろう。このことは誰もが感じ取っている。コーチも含めて誰もが・・」
先週土曜日、左腕のリリーフ、J.C.Nitkowski(ニコウスキー)がふと漏らした言葉だ。
“Without suffering, it doesn't work”(苦しみなしに進歩なし)
本年度限りで退役を予感させられるSkipper Oh(王艦長)ならではの哲学である。