石油価格高騰と食料危機・飢餓-要因は人為と無策にある

地球資源の1つ原油が枯渇しているわけでもない。世界の穀物生産が大きく後退しているわけでもないだろう。なのにこんにち、未曾有の危機的状況に直面している。穀物生産の不足は、地球温暖化による気候変動、特にアフリカやオーストラリアの緑地地帯の砂漠化の進行に要因がある。これを自然現象の所業だと片付けているわけではないだろうが、世界のリーダーは効果的政策が出せない。今年にはいってすでに30ヶ国で食糧暴動が発生している。昔の日本の(米)一揆さながらの様相だ。天井知らずの穀物価格の高騰がさらに進めば、絶望的な極貧と餓死に瀕する人たちが数億人に達すると予想されている。
食料危機に対しG8諸国の具体策が問われてくる。先の洞爺湖首脳会議で世界銀行Mr Robert Zoellick総裁がコメントしているが、地球上最も悲惨な状況におかれている人たちに(豊かな国が)善意の支援の手を差し伸べられるか。今日の世界にとって最大の試金石だ。無為無策のままでは“人為的飢餓”(Man-Made Hunger)だとして批難されても仕方がない。
最近の傾向として、少車化という言葉が登場した。背景に車の長寿化もあるが、なんといってもガソリン価格の高騰が響いている。EUでは交通渋滞も覚悟の上で路面電車が復活し、幅をきかせつつある国も見られる。我が国では無理か? 昨夜のNHKBS2「日めくりタイムトラベル」が1964年頃の日本の風景を再映していた。当時の首都の足は国電と銀座線・丸の内線の地下鉄、そして主役は網の目のように走る路面電車、都電だった。その五年前、都電は往復15円だった。少車化と都電の復活は余りにも懐旧的で現実的ではなかろうが、そんな夢想に走らせるものはなんだろう・・・?