崩れる安全神話/治安に暗雲

日曜日の惨事の現場は秋葉原。超ハイテクと人気のメディア・電気製品・アニメなどで国際的にも知られた街だけに、たちまち世界の有力紙が注目した。多くは社会面のヘッドラインでその衝撃を速報した。
ほぼ各紙とも、“random stabbing rampage”(狂気の無差別刺殺)のフレーズで共通してる。今回の事件は、7年前、大阪池田市の小学校で児童たちを狙った無差別刺殺事件と同じ日に発生。治安には自信があるはずの日本は最近、the knife crime(ナイフを使った通り魔犯罪)が増えていると伝えている。
The Washignton Postは「現場は襲撃を受けた後の戦場に似ている」と描写、The New York Timesは「Mr Katoの最後の言葉はIt's time」「Mr Kato自身、“crooked”(捻じ曲がった性格)だと自己分析」「人物像は不可視だ」と結んでる。
フランスのTV, France3は「日本人の安心・安全な生活感情を震撼させた」とレポートした。
1995年1月17日の阪神淡路大震災の惨状によって日本の安全神話は崩れた。そして、今度の都心における“High Noon Tragedy in Terrilbe Crime”(白昼の恐怖の惨事)は“Tokyo Olympic 2016"を夢見る東京の治安に暗雲をもたらした。海外のメディアが言及する「格差」と若者の一部に潜在する“絶望感”“断念”がやはり背景にあると見るべきか。