“断念”を迫る愛国心

あの9.11テロの惨劇のあと、米国ではNYに限らず、街の家の玄関に次々と星条旗が掲げられた。MLBのBall Parkでは試合開始前、観衆が総立ちになりGod Bless Americaを大合唱した。政権は民衆の心理を愛国心へと誘導した。
四川大地震震源地の近くから避難していた子供たちが山東省に向かう。被災児を受け入れてくれるからだ。子供たちは白いだぶだぶのTシャツを着せられている。胸にI LOVE CHINA、北京五輪のロゴだ。子供たちのほとんどは親が亡くなっていることを知らされていない。孤児たちの悲しみを愛国心で癒し、糊塗しようというわけでもないだろうが・。
Burma(ミャンマー)の軍政のトップたちがサイクロンの被災地を慰問する場面がメディアに登場する。が、映し出される場面は仮設された青いテントと整然と立ち並ぶ民衆たちだけだ。屋根もない道端で身を寄せ合う数知れぬ子供やお年寄りたちには救援物資は届けられていないだろう。呆然とした無表情の顔に“ 断念”が漂う。
ボクには言葉が出ない。居ても立ってもいられないが、現地にも出向けられない。かといって、寝てもいられない。手をこまねいてもいられない。Global Disaster(世界の惨事)だ。一人でも多くの日本人が何らかの具体的救援の手を差し伸べるべきときだ。