President Obama---Lame Duck Sessionではないぞ!

いささか旧聞に属するが、President Obamaのthe final State of Union addressを読み返している。残任期間1年を切った。最後の一般教書演説である。
冒頭のマクラは"I'm going to try to make it a little shorter." (演説は短めにしよう)。議場は拍手喝采。"I know some of you are antsy to get back to Iowa"(中にはIowaの予備選が気になってそわそわしている方もおられよう) と一言。会場は爆笑の渦だ。
約1時間の演説、心なしか哀愁ムードを漂わせながらもObama氏は"Since I took office seven years ago in the midst of crisis, we've made remarkable progress together"(内外の危機的状況の最中大統領に就任して以来7年、我々は飛躍的変革を遂げた)と実績に胸を張った。
2011年Tea Partyが立ちはだかり、11月の中間選挙でObama民主党は下院で歴史的な大敗を喫し、上院も辛うじて過半数を維持する惨憺たる結果となった。これを境にBarack Obamaの誤算は始まる。就任来掲げるChangeが頓挫していく。
on- the-fence politics(決められない政治) ---He's sitting on the fence on the issue(どっちつかずの態度を取っている)とObamaバッシングが続く。
今年1月早々、President ObamaはWhite Houseの執務室より全米に銃販売規制の必要性を訴えた。
The NYTコラムニストNicholas Kristofの論評'Guns, Tears and Republicans"に注目したい----
"President Obama shed tears on Tuesday as he called for new gun safety measures, and some critics perceived weakness or wimpishness. Really? On the contrary, we should all be in tears that 225,000 Americans have died of gun violence in his seven years in office."(オバマ大統領が火曜日、銃所持安全措置の必要性を涙ながらに訴えたところ、彼を弱虫、泣き虫、意気地なしだと非難す者がいる。果たしてそうか? むしろ誰もが涙すべきだろう。大統領在任7年間に225,000人もが銃で命を落としているのだ) この数はシリア内戦における犠牲者の数に匹敵する。
Obama氏の苦悩を尻目に、Iowa州を皮切りにPresidential nomination primary(大統領候補予備選)がスタート。News Alert が入った。
GOP--Donald Trump wins South Carolina primary(共和党、トランプ氏がサウスカロライナで勝利) DC-- Hillary hangs on, wins Nevada caucuses(ヒラリー・クリンントン、ネバダ州で競り勝つ)。
当初GOPの最有力候補だったJeb Bushが選挙戦から撤退表明。Trump Unstoppable? Hillaryは8年前の二の舞にならなきゃいいが・・・。
一般教書演説で長男を亡くしながらも副大統領としての職務に精励するJoe Biden氏に敬意を表するPresident Obamaの当面の仕事は先般亡くなった最高裁判事Antonio Scaliaの補充人事を急ぐことだろう。憲法上大統領に任命権がある。ところが共和党上院院内総務が待ったをかけている。またもや党派性むき出しの人質作戦か?
誠実さと有能さについては誰もが認めるBarack Obamaに何故人気がないのか?
オバマを拒絶する----米国レイシズムにひそむ白人の差別意識」は否定できないようだ。
8年間OFAの運動に共鳴しPresident Obamaを支持してきた者の一人として呼びかけたい--「まだChallengesは残っている。任期最後まで最善を尽くしてほしい」