名画座巡り--再見・再見The Untouchables
昨年秋から都内の名画座巡りを始めた。1950年代〜60年代、都内に限らず全国の街々に名画座が溢れ輝きを放っていた。正確に言えば、2番封切り、3番封切館全盛の時代だった。

10代後半から20代、足繁く通った主な映画館をざっと挙げてみる。封切館やロードショウ館は含まれていない---
銀座並木座・銀座文化・神楽坂佳作座・大塚映画・浅草ロキシー・浅草電気館・アンコール劇場・
池袋日勝地下・人生座・文芸座・文芸座地下・テアトルダイヤ・シネマロサ・池袋地球座・巣鴨映画・滝野川弁天座・江古田文化・・・。
池袋の日勝地下やシネマロサなどは今も残っているようだがその他の特に名画座と称される映画館は閉館となり名が消えて久しい。

そんななかで、希少価値があるのが飯田橋ギンレイ。神楽坂佳作座の生まれ変わりのようだ。年間会員券1万円で約50本、何度も観ることができる。上質な作品ばかりだ。
池袋の人生座の灯が消えたのはなんとも惜しまれるが、廃館となった文芸座が復興、新文芸座として再生したのは喜ばしい。

その新文芸座で1/5〜1/16まで<パラマウント・クラシック最終上映&世界の名作たち>と銘打って懐かしの名画がかかっている。中にはプリント状態が悪く退色モノもある。パラマウント作品の上映権が1月で切れるため今後劇場での上映は困難になるという。
7日(木)朝9時半に新文芸座に到着。旧文芸座の面影はない。3Fまでエレベーターで上がる、装いも新たに清潔感がある。暫く振りの米画「トップガン」と「アンタッチャブル」の2本立てだった。
トップガン」はトム・クルーズのお目見えだったが眠気に襲われた。お目当ては「アンタッチャブル」。今回で5回目の鑑賞だ。ストーリーや場面のコマ送りはほぼ覚えている。1987年の作品。主役のKevin Costnerが32歳。老優Sean Connery57歳。アル・カポネを演じたRobert De Niro44歳。役者揃いだ。1世紀以上前のChicagoの街を再現する装置・風景が圧巻だ。Sean Conneryアカデミー賞助演男優賞を獲った名品だが、脇役が凄い。腕利きの警察官Andy Garcia--キューバハバナ生まれ。経理マンを演じるCharlie M Smith--当時34歳。二人とも実に渋いはまり役だった。
ボクが何よりも興味をもったのはタイトル<アンタッチャブル>の意味だ。原題はThe Untouchables--原義は"手がつけられない者"(手に負えない者)ということになるが、誰が"アンタッチャブル"なのか? たいがいAl Caponeだという答えが返ってきそうだが、大間違いだ。ネットやWebsterや大英和を調べたがどうもピーンと来ない。やっと小学館Progressiveに「買収が効かない」と出ていた。つまり「賄賂による買収や脅かし、暴力などが一切通用しない最強のメンンバー」という意味だ。納得です。これじゃあ、邦題をつけるのは無理というもの。とても勉強になりました。新文芸座は予告編抜きがいい。休憩時間に通路をスタッフが掃除する姿もいい。来週もモノクロを2本見に出かける。