排煙・売煙の憂鬱

14億の人口を抱える中国。多くの国民が寂しい生活を強いられている。兄弟姉妹が無く、独身男性が少なくない。つい最近終止符を打った<一人っ子世代>の人たちだ。彼らは数々の恩恵に浴していた。

周囲から溺愛され、高学歴で豊かな生活。子供の時から欲しいものは何でも与えられた。唯、遊び友達がいない。メデイアはこの世代を"the loneliest generation"(最も孤独な世代)と呼んでいる。中国5000年の歴史上はじめてほとんどの家庭が子供一人となってしまうだろう。


その一人っ子の多くが結婚適齢期を迎えつつある。「子供のころ兄弟が欲しかった」と22歳の上海の大学生「自分の子供には孤独な体験はさせたくない」と言う。
彼らにはどこかに結婚相手はいるに違いないが、一人っ子政策のもと女子が少ない。男性優先のお国柄、性別産児制限を迫られ、女児100に対し男児117の割合となった。その結果現在独身男性が多い。統計によれば2020年までに未婚男性3000万人と推定される。孤独な子供時代を過ごした彼らは孤独な大人時代に直面することになる。
それ以上に憂鬱で深刻なのが"煙霧大国"中国だ。



COP(Conference of Parties=気候変動枠条約締結国会議)21 in Parisが「協定」合意。"We did it -- a big step forward on climate"とObama政権は勝利宣言。米メデイアも"Nations Approves Landmark Climate Accord in Paris"(地球温暖化対策の法的文書となる)<パリ協定に各国が画期的合意>とトップで報じるなか、最も頭が痛いのはCO2排出量世界第2位の中国だろう。PM(particulate matter=微粒子状物質)21の濃度が危険信号。北京など大都市の工場や車による排ガスの規制に躍起になっているものの、心配なのは経済成長の急激な鈍化だ。

そこで考え出したのが"China's Emissions Pledges Are Undercut by Boom in Coal Projects Abroad"(中国は海外向け石炭の輸出を活発化し国内での排ガス規制を穴埋め)---隣国ベトナムに向け、huge coal-power plant built by Chinese engineers with Chinese Aid(中国の技術者と資金を動員して巨大な火力発電所を建設)に乗り出している。その結果、ベトナム港湾都市は大気汚染が酷く子供たち多くが喘息に罹っているという。はた迷惑か? 内憂外患か?