『言わねばならぬことを言う』

あの誤報事件で周囲から徹底的に叩かれてからというもの、A紙が面白くなくなった。今度はTV Asahiが政府から揺さぶりをかけられている。<報道ステーション>で政権に対し辛口の言葉を投げかけてきたコメンテーターのK氏が『官房長官をはじめ官邸のバッシングを受けてきた』と発言。これに対し「報道は公平中立、公正に」とTV局に要請、「放送法がある。TV局の対応を見守る」と官房長官TV Asahiを威嚇した。キャスターのF氏が頭を下げてお詫びするありさまだ。
Abenomicsを批判した街頭インタビューの声に民法TVで不満をぶつけたPM Abeは「言論の自由」だと開き直る。憲法の定める『言論の自由』を逆手に取った暴言だ。放送法言論の自由を持ち出して圧力を正当化し、逆にメディァや世論を攻撃する。現政権の異様さの表れだ。
メディアやジャーナリストが萎縮してしまったらおしまいだ。反骨のジャーナリスト桐生悠々は「私は言いたいことを言っているのではない。言わねばならないこと言っているのだ」と。
「言わねばならぬことを言う」−これがジャーナリストの義務だとすれば、あえて<反骨>などと称する必要もなかろう。国家権力と人権が対立するとき、たとえば今の時代が、人間に対する憎悪の極限としての戦争への助走期間の様相を呈しているとすれば、ジャーナリストは、政府の世論操作といかに対決するのか、それが究極のテーマとなろう。
今も戦後であって欲しいが「戦間期」だとも・・・。