trouble maker⇒備えあれば憂いなし?or 富国強兵?

通常国会が開会。施政方針演説で「集団的自衛権」の憲法解釈見直しに意欲を見せたPM Abe。Davos会議-the World Economic Forumで異様発言、中国の厳しい批判はおろか世界が呆気にとられた。



1/24付英紙Financial Timesは"China rejects Abe's WWⅠ comparison with Pacific tensions"のHeadlineのもと次のように伝えている--
China's foreign minister strongly rejected by the Japanese prime minister comparing tensions to rivalry between Germany and British before the first world war, saying Japan should recognize its past aggressions....."I was rather baffled by remarks. This is my first reaction."Mr Wang said, "China is committed to peace, If the Japanese leader care to a close look at his country's record, it would be made clear to all who has been the trouble maker. and who has been the aggressor."

(現今の中日間の緊張を第一次世界大戦前の英独の対立関係に喩えたが日本の首相の発言を中国外相は断固否定。日本は過去の侵略行為を認識すべきだと批判。『あの発言を聞いたと時、呆れてモノが言えなかった』と。その上で、外相は『中国は平和にコミットしている。日本のリーダーが自国の歴史を直視すれば、誰がトラブルメーカーだったか、誰が侵略者だったか誰の目にも明らかだろう』と)

PM Abeは真意が伝わっていないと釈明するだろう。Abenomicsやらで旗揚げし、頻繁に外交に出かけるPM Abe、珍しく国際社会でそ存在感を増しているようだが、それだけに発言には慎重を期さなければならないとクギを刺す向きがある。が、ボクは見方が甘いと言わざるをえない。
日清戦争への従軍を境に自由民権主義から国家主義に変節し、日本最大のオピニオンリーダーとして帝国主義を鼓吹、大戦の行方をミスリードした大言論人徳富蘇峰。戦後A級戦犯に指定され悔悟の念を赤裸々に明かした『頑蘇夢物語』を公開、さらに晩年の1952年(90歳)、『勝利者の悲哀』を著した。
その中で蘇峰は<防御的攻勢>なる表現を以て次の如く“日本人は本来平和愛好”だと論じている--
「当時の日本人は、進んで外国を侵略するなぞと云う考えはなかった。・・・若し攻勢と見て云わば、所謂防御的攻勢であって、我より進んで事を起こしたのではなく、彼より手を出して、話が国内の治安を攪乱するために、已むを得ず此に及んだのである」

PM Abeの口癖である『積極的平和主義』は少なくとも<防御的攻勢>を意味していないか?特に東アジアの『安全保障環境』とやらをriskyに変えようとしているのは誰か?



富国強兵の再来か? <備えあれば憂いなし>と言いたいところだろうが、自然災害に対する防災ならいざ知らず、日本の“備え”は隣国にとって脅威・威嚇になることを心得るべきだ。