Remember 06-12-2013

特定秘密保護法案」が成立した。反対世論に聴く耳など持たず、最後まで数の力で押し切ったPM Abe。勝ち誇り美酒を味わったに違いない。議会民主制などと言われるが、所詮は議会に占める議員数で稀代の悪法も作られる。悪夢のようだが非情な現実の姿だ。

この法律、英語ではSpecified Secrets Protection Billとでも称すべきだが、如何せんWe're not sure what 'Specified' are--特定秘密と言っても何が秘密かが不明。それが秘密らしい。因って、米紙に習ってSate Secrecy Billと呼ぼう。

それにしてもこの「秘密法案」を巡っていち早く日本ジャーナリスト会議が反対を表明、マスコミ、メディア関係者の態度に注目したが、最も異常な報道を貫いたのはNHKだった。特に国会終盤になってからのPM Abeへの肩入れには唖然とした。ほとんど毎晩お目にかかるNews Watch 9だが、まるで政府報道官だ。

6日の参院本会議での成立を受けてキャスター曰く「同盟国アメリカと高度な情報を共有するために、秘密とすべき情報が漏れるのをなくすべきだというのは多くの政党が共有している」と締め括り、続いて【自衛隊の歌姫】を特集する始末だ。大本営顔負け、戦前に戻ったような錯覚を覚えたほどだ。2人のレグラー・キャスターを責めるつもりはない。

察するに、NHK経営委員会をPM Abeの意を受けた人物が占めているため、プロデューサーやディレクターなど現場が恐れ萎縮しているのではないか。

それでは国民が困るのだ。この悪法の廃止に向け、先頭に起って声を上げるのがマスコミ関係者の役割だろう。国連人権理事会が「記者保護への対応」を国際機関に訴えている。
「本当のことを言えない日本のジャーナリスト」など揶揄されいるのを恥ずかしく思わないのか。今こそ、Watchdog(権力の監視役)としての使命を自覚し、真価を発揮してほしい。
強引、拙速に成立させてしまった「特定秘密保護法」第一章<目的>第一条をそのまま記しておく--
「この法律は、国際情勢の複雑化に伴い我が国及び国民の安全の確保に係る情報の重要性が増大するとともに、高度情報通信ネットワーク社会の発展に伴いその漏えいの危険性が懸念される中で、我が国の安全保障(国の存立に関わる外部からの侵略等に対して国家及び国民の安全を保障することをいう。以下同じ)に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものについて、これを適確に保護する体制を確立した上で収集し、整理し、及び活用することが重要であることに鑑み、当該情報の保護に関し、特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定めることにより、その漏えいの防止を図り、もって我が国及び国民の安全の確保に資することを目的とする」

これでOne Sentence--超長文に騙されてはならない。<我が国>と<国民>を“及び”で結んでいる。並列か対等か従属か? 奇異な表現だ。