由らしむべし、知らしむべからず--狙いはChilling Effect〜War Seekerへ

大半の国民が法案の中身はおろかその存在すら知らない「特定秘密保護法案」

あえて英語でいえばSpecified Secrets Protection Bill.苦しい直訳だが、何を特定秘密扱いにするの?それが秘密なのがこの法案の正体。論語の「民可使由之、不可使知之」-本来の意味は“You can make people follow you. But it is difficult to make people understand the reason”がいつの間にか“Let people depend. Don't let them know”に変わって<由らしむべし。知らしムべからず>になってしまった。

衆院特別委員会での森特命大臣の答弁には唖然とした。「西山事件のような例は処罰対象になる」と断言した森大臣、同法案の国会との関係を野党の委員から質問されてオタオタと狼狽、「資料を持ち合わせていないので・・」と逃げの答え。委員長代理が大慌てで「速記を止めてください」の珍事に傍聴席から失笑がもれるありさまだ。


挙句は「法案成立後、改善・修正できる」と異例の珍答弁。さらにたまげたのは「保存期間が満了したら、・・・歴史的価値のないものは首相の同意を得て廃棄される」と答弁。時の為政者の一存で秘密のまま廃棄することもあると云う。国民の7割が疑問を持ち反対、第一線のジャーナリストや法曹界が次々と反対声明を出す「秘密保護法案」の成立、即ち<違法の合法化>をAbe Cabinet何故かくも急ぐのか。

「Abeボンボンは戦争がしたいだけだ」と外国人記者。「行き着くところは」ファシズム。この秘密保護法は一部の政治家と官僚のクーデターだと思う」と某野党若手議員は強調している。

11日、都内で記者会見したメディア関係ジャーナリストの主な発言を記録しておこう--

「『伏字』を問うと教唆になる」「メディアが臆病になている。もっと声を挙げよう」「今ここに座っているのは『後々後悔したくないから』です」「法案の構造は<知らしむべからず>となっている。メディアが萎縮してしまう懸念がある」「事実上取材ができない」「Abe政権の体質反映」「『多事封論』のおそれ」「『戦争ができる国』に--

治安維持法との類似点について質問した米国記者が「アメリカではこんな法律は通らない。アメリカのメデイアは政権からコントロールされないように自分の権利を確立する法律を作ろうとしているのに・・」呆顔だ。
日本は今も武力による国防なんてどだい無理だ。「攻撃こそ最大の防御」はこの国では通用しない。地平線の長い国だ。地理的にみても日本は力で守れない国だから外交的な話し合いで守るしかない。“ちっぽけな岩礁を巡ってチョッカイ出しあっている風景はバカバカしいと思わないないのか?”
仰るとおりです。