どうした大手メディア--watch dogどころかapple polisher

長年購読していた日本の英字紙D.Yを今月から止めた。The Washington PostやLA Timesを転載しているが、肝心のフロント・ページや社説など読む価値がない。凡庸で保守的だ。

2日前の日本記者クラブでの記者会見には呆れた。NHKはPM Abeの独演会をそのまま1時間垂れ流す異常さだ。まるで参院選挙を意識した選挙遊説カーまがいだ。中でも改憲を迫るY紙の正体は醜くさえもある。「どうしても確認しておかなければいけない」と改憲問題を切り出し、改憲の発議要件の緩和(96条問題)だけでは物足らないと『国会、政党レベルで議論を、国民が議論するような装置を政党が責任をもって作っていくべきだ』と改憲キャンペーンをけし掛けるありさまだ。

昨秋来の日関係の悪化のきっかけは何か。誰もが判ることだが、「もともとI都知事尖閣購入を言い出さなかったた問題は起きていない」と前原前国家戦略相。I氏の狙いは一目瞭然だ。中国における騒擾事件の勃発を期待した。反日デモの高揚と暴徒化、それによる日中関係の悪化、日本国内の「弱腰」批判とナショナリズムの高まり。こうした気運を高め、危機感を煽り、現行憲法を葬り去るのがI氏の狙いだ。



問題はメディアの態度にある。ボクたちが目にしたのはI氏を巡る興味本位の報道のオンパレード。TVのワイドショーに登場させ、好き勝手な放言の場を提供し続ける。「領土紛争」を引き起こしたI氏の責任を指摘・追及するメディアは皆無に近い。氏が都知事という地位にあったからだけではない。知名度と人気の高さを慮ったのだろう。<大衆的人気>を敵に回すことを恐れているわけだ。

The NY Times日本支局長Martin Fackler氏は「日本のメディアはWatch Dog(監視役)の機能を果たしているか」との問いに対し、『監視役としてみるならば、日本の大メディアは落第です』と語る。

PM AbeのみならずI氏にも対峙できない大手メディア。報道に流されてはなるまい。多くの報道が、ナショナリズムを高め、日本の右傾化に手を貸しているとしか思えない。
『日本の政治は右傾化し、地域の安全に重大な影響を及ぼす可能性がある』--あのCNNさえもがネットサイトで報じている。