An Outlook of Japan--このままでは<壁>にぶつかる・・・

2006年2月5日〜2007年4月28日まで「分裂にっぽん」を随時連載したA紙が今度は「限界にっぽん」なるFeatureをシリーズで掲載している。

広がる格差ー崩壊した「一億総中流」社会をレポートし、LDPの大敗の始まりともなったのが『分裂にっぽん』だとすれば、そのLDPが圧勝して政権を奪還したこんにち、日本のOutlookに“限界”がみられるのは何故か?
第二部<雇用と成長 大阪から>③【夜をさまよう『マクド』難民】の実態を描き、“非正規急増 対策半ば”と指摘する「限界・・・」の編集諸子。【成熟経済の限界と政府の機能不全がもたらす問題を掘り起こし.....長期展望を欠く政府の戦略が成長の芽を摘む問題を考えたい】と語る。


昨暮、PM Abeが再登板以来、円安が進行、$1=¥90台に迫る勢い。stock marketも10,900円を付け、財界や金持ち連中は上機嫌だろう。が、巷はどうか。野菜がじりじり値上がりしつつある。昨日の首都圏じゃないが、爆弾低気圧の急襲を受け、いつになく寒さ厳しい今冬が現下の景気の冷え込みを反映している。

低迷するニッポンに苛立ちを募らせるアジアを代表する知日派のリーダーがいる。マレーシアEx-PM Mahathir氏がその1人。曰く「市場経済の時代に、中国が日本をはじめ、周辺国を侵略する意図を持つとは思えない」ー経済的に自信を喪失した反動として右傾化が進む日本について「危険なことだ。日本が自信を取り戻すのは軍事ではなく、経済力を恢復させるしかない」と明言し、PM Abeのhawkishな対外政策や愛国心の喧伝に批判的。Mahathir氏に言わせれば「戦後復興を果たした勤勉さや倫理観こそが愛国心」だと日本人を叱咤する。

問題は歴代の我が国為政者に潜在するいわゆる【東大脳】だ。つまり、①効率のよい暗記能力と②高速の処理能力の二つ。定石の解法を脳から素早く引き出せるが、時間のかかる超難問は処理できない。領土問題や巨額の政府債務などについては、東大脳の官僚や政治家の頭脳では一向に解決しない。財政や外交課題を解決するには本物の“Hearts and Minds”を要する。ここに東大脳の限界をみる。

例えば尖閣諸島問題を巡ってAbe氏ー「中国との間に領土問題は存在しない。交渉の余地なし」と強硬姿勢をに出る一方で「戦略的互恵関係を目指す」と言う。何のことやらさっぱり解らぬ。

教育再生実行会議>なる不可解な看板を今日掲げたPM Abeと側近。余りにもメディアがクローズアップし過ぎだ。折りしもNHKが来たるべき参院選を早くも意識してか、Abe Cabinetと政党支持率世論調査?結果をBreaking Newsで発表。新政権の堅調振りとLDP支持の伸びを強調する。何故いま? 何故また?と疑問視せざるを得ない。このところ、TVもleading papersも無味乾燥でおまけにLDPの別働隊のように錯覚させられる。その臭いを異臭と感じず、芳香の如く嗅がされ、感化麻痺に陥るour nationsの行方に危機と壁が立ちはだかる。