内は威勢はいいが、外はsevere chilly

年末・年始、兜町が沸きに沸いた。日経平均株価が10,688円、1年前の8500円台がウソのような高値。円売りが強まり為替レートもUS$1=¥87の円安進行だ。
矢継ぎ早に「・・再生」を打ち出すAbe cabinet。経済財政諮問会議原発再稼動・推進官僚を充て、原発事故被災者の感情を逆撫で、反転攻勢に出るかと思えば、“Abe orders Japan to re-evaluate defense cuts”(防衛費カットの見直しを指示)と1/9付NYTのASIA-PACIFIC版。この10年間で初めて予算増をもくろむ。


兜町からそう遠くない築地市場の新年初競りも異様な賑わい。“Tuna fetches record bid in Japan”(黒マグロが史上最高値で落札)--222㌔1億5000万円($176万)、1㌔70万円。都内大手鮨チェーンのオーナーが、アジア各国から集まった同業界オーナーを押しのけ今年も競り落とした。その切り身をみて鮨愛好家は絶賛するが、他方、海洋資源保護団体はbluefin(本マグロ)の乱獲に対し警告を発する。

外交も急ピッチだ。ビルマに一番乗りしたVice PM Asoを追いかけるかのように盟友Nukaga氏をPM特使としてSeoulに派遣、Park Geun-hye次期大統領にPM親書を手渡す異例のパフォーマンス。狙いは“Japan seeks to mend strained ties with Seoul”(韓国との緊張関係の緩和)にあるが、NYT国際版は“・・・but no quick progress expected”(俄かな進展は期待できない)とズバリ予想。

それもそのはず、Nukaga氏が金浦空港に着いた日、空港周辺では反日デモシュプレヒコール。背景に戦時中の日本軍による韓国人女性に対する「従軍慰安婦」事件ある。PM Abeはこの事実を認めず否定したことで知られている。

米New York州議会は近くこの事件は人道に対する罪だとして我が政府に公式謝罪を求める決議案を提出予定だ。
NYのTimes Squareに「慰安婦」問題で日本に真の謝罪を求める看板が掲げられている。

Headlineの《DO YOU REMEMBER?》(忘れたのか?)が強烈だ--
“In 1971, German Chancellor Willy Brandt knelt before the war victims of Poland. His action promoted reconciliation in Europe.”
In 2012, Korean women forced to work as sex slaves for Japanese soldiers during WWⅡ are still waiting for a heartfelt apology from Japan”
1971年ブラント独首相(当時)はポーランドでナチによるユダヤ人虐殺について膝まずき謝罪した。その行動が欧州の和解を促進した。
Mr Abeも韓国・中国との現今の関係悪化を懸念し、東アジアの隣国との友好関係を本当に確かなものにする意志があるならば、WWⅡの過ちを心底よりに謝罪するところからスタートすべきだろう。単なるパフォーマンスでは世界は騙されない。